こたえからいうと、人げんがもっているような目はありません。イソギンチャクには体を岩からはずして泳ぐものもいますが、もともとじぶんからいっしょうけんめいえさをとりにいこうというタイプの生き物ではないんです。だから、近くにエサがよってきたら、うでをのばして「ひっかかってくれないかなぁ」と待ちかまえているんです。じゃあ目がないのにどうやってエサをつかまえるのかというと、あのゆらゆらしたうででエサをかんじるのです。あのうでには先っぽに「触手(しょくしゅ)」というものがついているんです。そこには、ものをさわるといろいろなことをかんじることができるさいぼうがいっぱいついているんです。水の中にあるいろいろなにおいなどもわかっているのではないかといわれているんですよ。ヨーロッパにとてもくわしい先生がいるのですが、その先生の話では、イソギンチャクのうでの先からせいでんきのようなよわいでんきがでていて、ねつをかんじることができるとわかったということなのですね。だから目はないかもしれませんが、暗やみの中でうでをぐっとのばして、いろいろなことをかんじているのです。
横須賀市自然人文博物館:林 公義 先生
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