それは、本当のところはアリさんに聞いてみないとわからないけど、おなかがいっぱいのときもあるし、おなかがすいているときもあるし、両方あると思いますよ。なぜなら、はこんだエサをぜんぶ一人でたべてしまうわけではないのです。いちどアリのすにエサをもってかえって、みんなでわけあって食べるんです。だから、おなかいっぱいのときもあるしおなかがすいているときもあると思うんですよね。みんなぎょうれつをつくって、いっしょうけんめいエサをはこんでいますが、じつはあのぎょうれつの中には、アリではないものがまじっていることがあるんですよ。こんどアリのぎょうれつをむしめがねでみてください。ぎょうれつの中に、アリそっくりなかたちをした「アリグモ」というクモがいます。そいつは、アリのぎょうれつを見つけると、アリのふりをしていっしょにすに入っていきます。そしてアリが休んでいるときに、ムクっとおき上がってアリのたまごやさなぎをたべてしまうのです。そしてみんながねているうちにすっとにげるの。アリグモもいっしょうけんめい生きているので、アリグモがわるいわけじゃないけど、そういう生きものもいるということをおぼえておいてくださいね。
プロナチュラリスト:佐々木 洋 先生 先生
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