いきもの
Q. テレビゲームや神話(しんわ)に出てくるような竜(りゅう)や合成獣(ごうせいじゅう)はクローンでつくることができるのですか? (中2・女)
A.

大昔の生物をクローンで作るというのはむずかしいと思います。
けれども、『ジュラシックパーク』という映画の中にあったように、大昔の生物の「DNA」を今の生物にいれてクローンを作ることは、りくつではできないことではありません。 じつは、「マンモスふっかつ計画」というのがあるほどなのです。

今、おいしい牛肉をつくるために、おいしいお肉を持っているオスの牛の「精子(せいし)」をれいとうしておいて、それをメスの卵子(らんし)といっしょにしてたくさん子供をつくるという技術があります。
この方法を使って、まず、シベリアで氷づけになっているマンモスの精子とアフリカゾウの卵子をいっしょにして、「半分マンモス」の子どもを産み、この「半分マンモス」のメスの卵子とシベリアで氷づけになっているマンモスの精子をいっしょにして、「4分の3マンモス」の子どもを産む。これを何回もくりかえしていけば、ほぼ100%のマンモスを産み出せるはずですよね。そういうことをやろうという計画が現実にあるんですね。

でも、この計画でさえ、しんせんな細胞がなければクローンはむずかしいです。だから、「氷づけになってる」というような、できるだけしんせんなかたちでDNAがのこる条件さえあれば、細胞を生かして、クローン技術を使うということはりくつではできます。でも、じっさいに実行しようとすると、とても手がこんでいて、かんたんにできるわけではない、ということもわかりますよね。


国立科学博物館 馬場 悠男 先生

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