たしかにサンマはひじょうにデリケートなお魚で、飼うのがとてもむずかしいです。
どれくらいデリケートかというと、たとえばタイなどにはゴワゴワのうろこがついているでしょう?
でも、お魚やさんにいるサンマにはあのうろこはないんです。
どうしてかというと、サンマのうろこは猟師(りょうし)さんがあみでとったときに、はずれちゃうんです。
それぐらいサンマのヒフは弱いんです。
だから海でつかまえたサンマを水そうに入れて飼うことはできません。
じゃあアクアマリンふくしまがどうしているかというと、「たまご」から育てているんです。
サンマは海にただよっている流れ藻(ながれも)という海草にたまごをうみつけます。
そこからとってくるんですね。
たまごからは1センチよりちょっと小さいぐらいの赤ちゃんが生まれてきて、150日ぐらいすると親になり、またたまごをうみます。
ちなみに今水そうにいるサンマは5代目ぐらいですね。
こうやって育ててみたら、新しくわかったことがたくさんありました。
サンマのじゅみょうが1年ぐらいだということや、「サンマの赤ちゃんは何を食べるのか」、「水そうの水温を何度にするのか」などいろいろたいへんでした。
だれも飼ったことがなかったからわからなかったんですね。
そして、飼うときのポイントもわかりました。
それは「光」です。
サンマは、「光」にとてもびんかんで、あかりをつけているとそのまわりをぐるぐる回っているんです。
あかりをつけないと、サンマが暗いところにいって、水そうにからだをぶつけたりしてしまうんですよ。
アクアマリンふくしま館長:安部 義孝 先生
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