そのひみつは、イワシというお魚がほかの魚にくらべて強いか弱いかによるんですね。
ちなみにあなたはどちらだと思う?
こども:弱いお魚
そうだね。
ぼくもそう思います。
イワシを漢字で書くと、「鰯」、つまり魚へんに弱いって書くんだよ。
弱いイワシは、強いお魚に食べられないように、みんなで集まってむれをつくって、体を大きく見せて泳いでいるんですね。
集まっていると、遠くからはとても大きな生きもののように見えるから、むやみにおそわれないんです。
それに、もしだれかが大きな魚にパクッて食べられてしまっても、その間にそのほかの魚たちはにげることができるよね。
1匹でいるより多くのなかまが生きのこれるんです。
つまり、お魚が生き残るために「むれ」になって泳ぎ、そのためにはみんながバラバラになっているとおたがいぶつかったりして、いっしょに泳げないでしょ。
そのためにひとつの方向を向いて泳いでいるんですね。
ぼくもよく海にもぐるんですが、イワシのむれを遠くから見ると本当にとても大きな生きもののように見えるんですよ。
すごいよね。
上野動物園:葛西 宣宏 先生
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