じつはね、犬はむかしオオカミだったのです。長い歴史の中で、オオカミからちがうしゅるいに分かれていったの。だから、今でもオオカミの生活と犬の生活はにているんです。
むかし、オオカミというのは、とてもさむいところで生活していました。そのようなところでは冷たい風からかくれる場所がないから、自分で穴をほってかくれていたんですね。ほかにも、このかくれ場所は赤ちゃんを産んだときに、赤ちゃんに風が当たらないようにしたり、ほかの敵からかくれるためにもよかったのです。
そしてこのオオカミの生活は、犬に受けつがれていったのです。だから犬が穴をほるというのは、「おうちを作っている」ということなんです。
ところが人間にかわれると、穴がほれるようなところでは、かってもらえないよね。でも、本当は今の犬も、かくれるところがほしいんです。だれにも見られずに、自分だけの場所でねていたいということだってあるんですよ。だからぎゃくにいうと、おうちで犬をかう時は、かくれられるような場所を人間が作ってあげないといけないのですね。
兵藤動物病院院長・兵藤 哲夫 先生
|