いきもの
Q. きのうハマグリを食べたんですけど、貝の脳みそってどこにあるんですか? (小3・おとこ)
A.

たしかにハマグリとか食べた時って、貝の脳みそってあるのかなと思うよね。

ハマグリはニマイガイと呼ばれる種類で、この種類にも、目の役割をする「眼点(がんてん)」というのがあります。それは、人間のようにものを見たりするのではなく、自分のまわりが明るいとか暗いとかを知るためだけのものなんだよ。明るさがわかると、今が昼なのか夜なのかわかるでしょ。これが貝にとってはとても大切なんです。昼に出て行ってほかの動物に襲われたら困ってしまうからね。

じゃあ、「目」があるとすると、頭でものを考えるにちがいないと思うよね。たしかに脳みそみたいなものはあるんだよ。人間のような大きな脳みそではなくてね、たとえばハマグリは、神経の集まったところに、ちっちゃな玉っころがあるの。これを「神経球(しんけいきゅう)」といいます。ここで、「明るいか暗いか」「今ふたを開けたら敵がきて食べられちゃうか」とかを全部つかさどっているんだよ。

この「神経球」は解剖(かいぼう)していくと肉眼で見える場合もあるし、見えない場合もある。それぐらい小さいんだ。人間はいろんなことを脳みそで考えるし、悲しいと思ったら涙が出たりするでしょう。貝の場合はそういうことはあまりなくて、生きるために最低限必要なことだけをやるんですね。だから人間のような「脳みそ」じゃなくていいというわけです。


お魚博士・杉浦 宏 先生

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