いきもの
Q. なんでタコやイカには骨がないんですか? (小3・おとこ)
A.

夏に海に行って遊んだりすると、いろいろな動物を見ますよね。その中で、たとえば魚は人間と同じで背骨があります。

カニや貝も海にいますけど、そういう動物は骨がないんです。こうやって陸に住んでいる動物をふくめて「背骨のある動物」と「背骨のない動物」を大きく分けてみると、背骨のない動物のほうが圧倒的に多いんです。たとえば昆虫(こんちゅう)も背骨はないよね。

大むかし、動物が水中から陸上に上がったとき、「重力などから体を支えなくてはならない」という問題にぶつかったんですね。そのとき、もともと背骨を持たない動物は、背骨などのしっかりした骨組みを作り上げて陸で生活できるようになったんです。こうして考えてみると、生き物の歴史上で、骨のない動物の方が先にいて、骨のある動物はずっと後になって登場してきたんですね。

ですからタコやイカのように昔からいる動物は、骨のないものが多いんです。でもイカに何もないかというと、それは違うんですよ。おかあさんと今度スーパーにいったとき、足つきのいかを買ってもらって、体の中の構造を見てみてください。イカの肉の間に甲羅(こうら)のようなものが入っているのがわかると思いますよ。これは骨ではなくて、骨のしるしのようなものなのです。サザエやアワビのような貝の仲間にも、似たようなものがあって、それがあの外側のかたーい貝がらなんですね。タコにはそういったものはないんですけどね。


横須賀市自然人文博物館 林 公義 先生

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