まず、サンゴが植物ではなく、海に住んでいる「動物」だって知ってましたか?でね、サンゴには、ものすごくたくさんの種類がいるんです。だから繁殖(はんしょく)にも本当にいろいろなケースがあるんですよ。
まずは、「有性生殖(ゆうせいせいしょく)」といって、オス・メスが満月の夜にいっせいに精子と卵子を振りまくんです。サンゴはだいたい群れで暮らしているから、あちこちでオスの精子とメスの卵子が振りまかれて、自分のものではない精子や卵子とくっついて卵ができていくんです。
次に、「体内受精(たいないじゅせい)」といって、同じサンゴの中のオスとメスが自分たちで受精してどんどん増えるというケースがあります。
さらに他には、例えば台風などで海が荒れて、サンゴがぽきっと折れちゃったとします。そうするとその折れたサンゴがどこかの岩にたどりついて、そこから芽が出るんです。種類が多いだけに、本当に増える方法にはいろいろなものがあるんです。
こうしてみると、ただ単純に「サンゴにはオスがいるとかメスがいるとか」では説明がつきませんね。だからひとつのサンゴの中に、オスとメスが両方いると考えると良いと思います。これを雌雄同体(しゆうどうたい)といいます。つまり、サンゴははじめからオスメスが決まっているわけではないんですね。
動物コンサルタント・川口 幸男 先生
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