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昆虫には、脳ミソがあるのですか? 私は、ちょっとだけあると思う・・・
(小3・おんな)
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その通り!ちょっとだけあるんです。昆虫のからだっていうのはね、「頭」「胸」「腹」の3つの部分に分けられるんだけど、頭の中をのぞいてみると、ちゃんと脳ミソが入っているんですよ。 で、その大体の部分は、目のところにあります。目から大きな神経が脳に向かってるんですね。そしてその脳は3つに分かれています。 その中に、考えるところもちゃんとあるんだけど、その考えるところっていうのは、とっても小さいんだよ。だから昆虫というのは、ほとんど考えなくてもいいようにできてます。例えば、ゴキブリがいる部屋で、夜、電灯をパッとつけると、ゴキブリは暗い方へ、サーッと逃げていくでしょ?それから、家の中にハエなんかが入ってきた時に追いかけると、明るい窓の方へスーッと逃げていくよね?そういう風に、ある刺激があった時に、簡単な方法で逃げられるよう、準備がしてあるんです。 ほとんど考えなくてもいいようにね。それが、もうちょっと利口な昆虫・・・例えばミツバチとかアリになると、その仕組みがたくみに出来ていて、ほら、素晴らしい巣を作ったりするでしょう?そういうことが出来るようになってるの。 ミツバチなんて、自分の巣と、エサになる蜜や花粉がある花の場所などをちゃんと覚えるために、太陽なんかもわかる仕組みができているんです。 だから太陽さえあれば、間違いなく蜜のある花の所へ通うことができる、そしてそれを仲間に伝えることもできるんだよ。そういうのを「社会生活」と言うんですが、そういう「社会生活」をする種類の昆虫は、頭が、ちょっと良く出来ています。 エサ運びにしても、誰からも教わることなく、ちゃんと自分の巣へ持って帰って、子育てをすることもできるんですよ。 体は、とっても小さいけど、脳ミソはちゃんとあって、そういう基本的なことは、きちんと考えて出来るようになっているの。すばらしいですよね。 それに対して、私たちは大きな脳ミソを持って生まれてきました。この脳ミソを上手に使えばとてもいい社会になるはずなんです。でも最近、悪いニュースばかりでしょう?みんな脳ミソのせいなんですよ。 ですからね、使い方をまちがえると、私たちはこの脳ミソのために滅びるかも知れないんです。そのことを十分に考えて、たくさん使って下さいね。
多摩動物公園 昆虫園・高家 博成 先生
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