いきもの
Q. カンガルーはどうしておなかの中の袋に赤ちゃんを入れたままジャンプできるの? (小3・おとこ)
A. あのね、カンガルーは赤ちゃんをおなかの袋の中に入れてるっていっても、生まれたときの赤ちゃんは、人間の小指の先の大きさぐらいしかなくて、とても小さいんです。
それがだんだん大きくなるでしょう?そうするとね、袋からはみ出てしまうぐらいの大きさに成長するんですね。それでもお母さんは袋に入れたまま、結構ジャンプしてますよね。
それはどうしてかっていうとね、カンガルーは足がものすごく太くて、それからしっぽもものすごく太いのね。だから、跳ぶ力がものすごいんです。
そしてカンガルーの中でもね、「アカカンガルー」っていって立つと1メートル50センチメートルから2メートルぐらいにもなる種類がいるんですね。これは、カンガルーの中でも一番大きい種類なんですけど、昔、僕は動物園で担当してたことがあるんですね。
これがね、すごい暴れ者というのかなー、この「アカカンガルー」のオスといったら、足の力がものすごくって、尾っぽで立ち上がって人間のことを蹴るんですね。そうすると、もしそれがうまく当たると、僕たちがふきとばされちゃうぐらいなんですよ。それぐらいすごいんです。
だから、これぐらい強い足を持っていれば、袋の中に大きな赤ちゃんが入っていようがなんのその!という感じで、3メートルでも5メートルでもポーンポーンとジャンプしてしまうんです。
そのかわり、これだけ足が強いから、手は、小さいし弱いんです。もちろん、カンガルーにもたくさんの種類がいるから、たとえば「ワラビー」という小型の種類は、あまりジャンプはしないんですよ。

お姉さん:人間のお母さんが赤ちゃんをだっこするように、カンガルーのおなかの袋も出きているんですか?

そうですね、オーストラリアに住んでる動物達は、カンガルーのように前に袋があいているのと、それからコアラのように後ろにあいているものと、袋の形も色々種類があるんですね。
ちょうど、カンガルーの場合は袋を「持っている」という感じなんですね。その中に赤ちゃんがピョコンと入ってね、少しずつ、すくすくと育って行くんですが、大きくなってきて頭がはみ出していたり、しっぽが出ていたりしているのに、それでも入っているという強情ものの赤ちゃんもいるんですよ。
やっぱり、人間でもどんな動物でも同じでね、生まれる前からお母さんの心臓の音を聞いているから、お母さんの袋の中にいたり、お母さんの胸に抱かれたりしてお母さんの心臓の音を聞くと、とても気持ちよくてすごく安心できるの。
赤ちゃんにとって一番安心出来る場所なんだと思うんですよね。

上野動物園・川口 幸男 先生

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