いきもの
Q. うちのまわりでは夕方5時になると音楽が流れます。そうすると決まって近所の犬たちが一斉に吠え出すんですけど、どうしてですか? (小5・おんな)
A. 犬たちはそういうとき、「ワンワン」じゃなくって、「ワオーン」って鳴くでしょう?なんでかっていうとね、犬はね、昔はオオカミだったんだよ。オオカミが人間とつきあうようになって、いろんな種類が出来て、それから人間と一緒に暮らすようになったんだ。
で、オオカミっていうのは群れで暮らしててね、ときどき仲間同士の合図で「ここは俺たちのナワバリだぞー!」とか「お嫁さんが欲しいよ〜」っていう意味で、遠吠えをするんです。それが「ワオーン」なの。
で、たとえば、消防車が「ウ〜」ってサイレンを鳴らしてくると、方々の犬たちが一緒になって遠吠えを始めたりするんだけどね。
ちょうど、音楽やサイレンの波長(はちょう)の中に、犬が遠吠えを吹きたくなるようなものと同じ高さの音があるんだね、きっと。だから音楽によってだと思うんですけど、けっこう高い音に反応するんだよね。そうすると遠くの方で「こっちは俺たちだぞー!」って「ワオーン」って吠えるの。
山や森での習慣が犬の中にもまだ残ってるんだよね。だから、サイレンだとか高い音の音楽だとか、ちょうど自分たちの耳に合う音が出てくると、本能的に「ワオーン」って返事をしちゃうんだ。でね、一匹が吠えると、近くにいる犬も「僕はここにいるぞ!」「俺はここだぞ〜!」ってみんな競争して鳴き出すの。「自分はここにいるぞ」っていうアピールなんだよね。
これは犬同士のメッセージ交換なんだよ。犬って、散歩の時、あちこちにオシッコするでしょ。あれも「自分はここだぞ!」ってあいさつするためなんだよね。
遠吠えも、それと同じメッセージなんだよ。
遠吠えって、犬にとっては大事ないい運動になってるから、ゆかりちゃんちの近所の犬たちはきっと、とっても健康だと思いますよ。(笑)

イラストレーター・ヒサ クニヒコ 先生

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