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アオムシやイモムシはなんでオシリから糸をひくんですか?
(小1・おんな)
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これから、アオムシやイモムシのシーズンなんだよ。今度、みつけた時にねチョンチョンとさわってごらん。 そうするとね、スススーッと下のほうにおりるのね、そのときにストンと落ちないで、糸をひいてゆっくりと着陸するの。 それはね、身を守るためなんだよね。じゃあ、どこから糸を出すかっていうとね、実はオシリじゃないんだよ、口から出すの。下くちびるに「絹糸線(けんしせん)」ていう、糸を出す線があるの。蚕(カイコ)っていう虫を知ってるかな?和服とかは絹(きぬ)から作ることがあるけど、絹はカイコのマユから作るんだよ。 カイコは桑(くわ)をたくさん食べて、口から白い糸をはいてマユを作るんです。カイコがマユを作るための糸と、アオムシやイモムシの出す糸は同じなの。 長〜い糸を出すのがカイコ。あんまり長く出さないのがアオムシやイモムシなんですよ。だからアオムシやイモムシの中にはカイコほど立派じゃないけどマユを作るものもいるんですよ。 アオムシやイモムシが口から出す糸は、マユを作って身を守るためと、風なんかが吹いて木から落ちるときに、ケガをしないようにゆっくりおりるためにつかわれているんだよ。 これから、サクラの木の下を通るとね、そういう虫たちがブーランブーランしてるから、そ〜っと見ててごらん、足で糸をたぐって上のほうへ上がっていったり、別の枝にとまったりします。 ミノムシのミノもそうなんだよ、あれも口から糸を出して、自分のお家を作ってるんだよ。
多摩動物公園 昆虫園・高家 博成 先生
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