 |
なんでアブやハエには目がたくさんあるんですか?
(小3・おとこ)
|
 |
よく知ってるね。ぱっとみた感じでは、アブやハエの目は2つにしか見えないんだけど、よく見るとその中に小さな目のようなものがいっぱいあるんですね。 それは「複眼(ふくがん)」と言って、人間の目とはちょっと違うものなんです。昆虫は、人間と全然違う方法でものを見ているんですね。
だから、人間と違うレンズを持っていなくてはならないんだ。昆虫の中でも、種類によって少しずつ違うんだけどね。 でもね、たくさんの目があるからといって、目と同じ数だけのものが見えているわけじゃないんだ。人間もそうでしょ。右目と左目それぞれで同じものを2つ見ているわけじゃないでしょ。 1つしか見えないよね。昆虫も同じで、頭の中でちゃんと1つにして見ているんだ。 それとね、物の見え方は、生き物によって少しずつ違うんですよ。例えば僕たち人間。目が前に2つ並んでるでしょ。こうすると物がすごく立体的に見えるんですよね。「何がどこにあるか」ってすぐ分かる。 でも、同じように目が2つあっても、顔の前じゃなくて横についている生き物もいるんですよ。鳥に多いよね。そういう鳥たちは、「両眼視界(りょうがんしかい)」っていうんですけど、両方の目で一緒に見ている視界はすごく狭いんですね。 その代わり、片方の目でそれぞれ見ている視界、これを「単眼視界(たんがんしかい)」っていうんだけど、これはとても広くって、自分の頭の後ろの方まで見えているの。 ただそれは、右側は右の目だけ、左側は左の目だけ、というように片側の目でしか見ていないんですね。そうなると、何が起こっているかというのは見えているんだけど、物を立体に見ることは出来ないんだよ。 つまり、その生き物の生き方によって目のつくりが違ったり、見え方が違ったりするというわけなんだよね。
プロナチュラリスト・佐々木 洋 先生
|
|