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カラスってね、いつもまとめて「カラス」って言っちゃうけど、本当はくちばしの太い「ハシブトカラス」とガラガラ声の「ハシボソカラス」という2種類がいるんです。 「ハシ」はくちばしのことなんですね。そして、ハシボソガラスは町の中ではあまり増えていないんですが、逆にハシブトカラスは町に多くいて、生ゴミをつついたりして問題になりやすいんです。 でも、多くの人たちはカラスをひとくくりにして考えてしまうので、実はみんなカラスのことをよくわかっていないと思うし、詳しいデータが少ないんです。 だけど、基本はどちらのカラスも雑食性です。何でも食べちゃうんですね。本来多くの小鳥は虫を食べているので、くちばしがピンセットのようにとがっています。「虫をつまむ」というのが多くの小鳥のくちばしの主な役目なんですね。 中には種を食べる鳥がいて、そういう鳥のくちばしはペンチの役割をしなくてはいけませんから、太くて短いです。 じゃあ雑食のカラスはどうかというと、ハシボソカラスのくちばしが細いと言っても長くて大きいんですね。 ハシブトカラスも太くて長い。こうして鳥のくちばしは食べるもので変わってくるんですよ。で、カラスは何でも食べちゃうんで、生ゴミも食べちゃう。 生ゴミってカラスにとっては栄養がいっぱいあるものなんですよね。生ゴミが散らかされるといってよく問題になっていますけど、生ゴミはいつでもありますよね。 だから冬になってもゴミも減らず、カラスが減ることもないんですね。
日本野鳥の会 ネイチャースクール所長・安西 英明 先生
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