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カモメは海の鳥なのに、どうして川にもいるんですか?
(小4・おんな)
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ここの荒川あたりにいるのは「ユリカモメ」というカモメが多いと思います。 でね、海の鳥であるカモメが川にもいる理由は2つあるんだけど、1つは、ユリカモメがだんだん増えてきて、海にいるだけじゃせまくなっちゃたの。 それでどんどん陸のほうに来ちゃったんだね。でもそれより大きな理由は、たくさんの人がカモメにエサをあげるからなんだ。カモメにエサをあげるのって、すごくおもしろいんだよね。あげたことある?
こども:ないです
「フライングキャッチ」って言って、エサを投げると空中で取っていくんだよ。投げずに手に持っているだけでも持っていっちゃうの。だからすごくおもしろくて、エサをあげる人が増えたわけ。それでカモメがどんどん増えてきたの。 本当は野生の生き物にエサをあげるのは良くないんだよね。
カモメは渡り鳥だから、ほかの国にも行くわけだけど、その時にエサをやる人が大勢いるとは限らないでしょう。そうするとカモメは自分でエサを取ることを忘れちゃって、死んじゃうかもしれないんだ。 子育ての時だって自分の子供にエサを持ってくることができないかもしれないの。 だから本当はやってはいけないことなんだけど、大勢の人がエサをあげるから、すごく陸地の方に入ってきているんです。 というわけで、カモメは川のほうでも見かけるようになったんだ。いま東京では7万羽ぐらいのカモメがいると言われています。 でね、それによって、今まで街中でいちばんいばっていたカラスが、カモメに追いかけまわされて困っているんだよ。 カモメって優しそうに見えるけど、意外に気が強い鳥なんだね。
プロナチュラリスト・佐々木 洋 先生
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