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カンガルーのオスはメスと同じように、袋はあるんですか?
(小1・おとこ)
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キミはカンガルーを見たことある?
こども:うん、カンガルー園で見た
じゃあ、おなかの袋から顔を出してる赤ちゃんは見たかなぁ?
こども:見てない
そっか。あのね、カンガルーのおなかにはどうして袋があるかってことなんだけど、たとえばキミは、ある程度大きくなるまで、お母さんのおなかの中にいたでしょう?で、自分の力でお母さんのおっぱいがちゃんと飲めるようになってから生まれて来たんだよね。普通の動物ってみんなそうなんだよ。 でもカンガルーの場合っていうのは、本当にちっちゃいうちに生まれちゃうんだ。おとなのカンガルーはあんなに大きいけど、赤ちゃんで生まれた時の大きさは、マッチ棒ぐらいなんだよ。目も開いてないし、まだ全然育っていない状態でね、ネズミの赤ちゃんよりももっとちっちゃい感じなの。 そんな状態で生まれてから、自分の力でお母さんのおなかの上をよじ登って行くんだ。そして袋の中にポトンって入って、袋の中にあるお母さんのおっぱいに、チュって吸い付くんだよ。 それからは、おっぱいに吸い付いたままで暮らしていって、それで、キミが生まれてきたような状態になるまで、その袋の中でずっとお母さんに育てられるんだ。カンガルーの袋はね、「育児嚢(いくじのう)」って呼ばれていて、こどもを育てるための袋なんです。あの袋が、人間のお母さんのおなかの中と同じような役割をしているんだ、ってことを覚えておいてくれるかな。 だからカンガルーは、お母さんにしか袋がないんだよ。また今度、よーく見てごらん。
葛西臨海水族園・葛西 宣宏 先生
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