いきもの
Q. 海の水はしょっぱいのに、海にいる魚は刺身にすると、どうしてしょっぱくないんですか? (小2・おとこ)
A. キミはどういうお魚が好きですか?

こども:まぐろとか・・・

そっかそっか。まずね、海にいるお魚と、コイや金魚のように、川や湖みたいな真水に住んでるお魚は、体の中の塩分の濃さがちょっと違うのね。それで、海にいるお魚は、やっぱり体の中に塩分がどんどん入ってきちゃうんです。その塩分は、体の外に出さないと、取りすぎになっちゃうの。で、お魚はどうするかっていうと、オシッコで出してるんだよ。でも、出し過ぎちゃうと、体の中の塩分が逆に足りなくなっちゃうから、今度はオシッコの量を調節するんです。できるだけオシッコを少なく少なくするの。
ほかにはね、魚に「エラ」ってのがあるでしょう?口をパクパクするところの内側に入ってるやつね。あのエラからも、余分な塩分を全部、外に出してくれてるんです。
でも、少しは塩分がないと困るから、オシッコを少なくすることで、塩分が体の外に出すぎてしまうことを防いでいるわけね。でね、例えば、鳥の肉も豚の肉も、そのままなめてみると、そんなにしょっぱくないんだよ。実は、しょっぱいのは、血液だとか、「体液(たいえき)」っていうんだけどね、体の中のほかの液がしょっぱいからなの。
そうだな・・・ケガした時に、無意識に傷をペロってなめちゃうことない?そうすると、ちょっとしょっぱいでしょう?それもね、やっぱりその中に塩分が入ってるんだよね。肉そのものの中には、もともと塩分っていうのはないんです。
だから、肉の中などに塩分が入りすぎてしまうと、病気になってしまったりするのね。それをお魚は、オシッコとエラで調整してるんですよ。で、お魚も、血液や体液があるから、それはちょっとしょっぱいんだけど、お肉はやっぱりしょっぱくないわけ。だからお刺身もしょっぱくないというわけなんだ。

横須賀市自然人文博物館・林 公義 先生

[戻る]