いきもの
Q. 渡り鳥がいつも同じところに帰ってこれるのはなぜですか? (小4・おんな)
A. あのね、まずどうして「渡り鳥」って言うかというと、そういう鳥たちは、あるところで生まれて、どこか遠くに行っても、また同じ所に戻ってきたりするからなんだよね。それを「渡り」って言うの。
じゃあ、どうしてできるのかっていうと、「わりとよく覚えているから」ってことなんだ(笑)。
詳しく説明するとね、鳥たちは太陽とか星をみると、どちらに進めばいいかというのがわかるんだよ。そういう、長い距離を飛ぶためのコンパスというか、方位磁石みたいなものを体の中に持ってるの。
だから、寒い冬の間を日本で過ごした鳥たちが、春になって「あたたかくなったからシベリアに帰ろう」って思ったときに、「北へ行けばいい」っていうのを知ってるんだよ。ちゃ〜んとわかってるの。
しかも、日本からシベリアって遠いでしょう?ずっと飛び続けなきゃいけないよね。その間も、昼間は太陽をみて、夜は星座をみて、自分が持ってるコンパスみたいなものと照らし合わせながら、「どっちに飛んでいったらいいかなぁ」っていうのをちゃんと考えながら飛んでるわけ。
で、近くに来れば、自分の生まれたところの景色はもちろん記憶にあるから、「あ、ここだな」って目でちゃんと確認してるんですよね。つまり、渡り鳥は生まれた場所を目で見て覚えていて、そこに向かって自分の体の中のコンパスで進む方向を調べながら飛んでいる、というわけなの。
すごいよね〜。あとね、魚の「鮭(さけ)」も自分の生まれたところにちゃんと帰るんだけど、あれは、自分の生まれた川の「におい」を覚えていて、そのにおいに向かってどんどん帰っていくんだって。
これもすごいことだよね!

国立科学博物館・馬場 悠男 先生

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