いきもの
Q. 牛は赤い物を見ると、なんでおこるんですか? (小1・おとこ)
A. キミはどこかで本物の牛を見たことある?

こども:那須のりんどう湖で見ました

キミはその時何色の服着てたの?

こども:黄色

その時牛は怒った?

こども:怒らなかった

そうか。あのね、動物たちの多くはね、人間のように細かく色を見分けることはできないんだよね。
で、それは牛の場合も同じのようです。だからね、牛は赤い色を見て、その色に対して反応しているのではなくて、どちらかというと牛を緊張させたり、イライラさせておいてから、動くものを目の前で動かすから、牛がどんどんイライラしてくるんだよね。
そして、イライラが頂点に達すると、それに対して向かってくるっていうことだと思うんだ。だってそんなこと言ったらさ、牛を見に行くときに赤いポロシャツとか着ていけなくなっちゃうでしょう?
だからね、どっちかっていうと、色よりも動物たちの目の前でものを動かしてる、それによって動物たちがイライラしてくる、それでイライラがだんだんたまっていって、ドカーンて爆発して動くものに向かってくるっていう感じじゃないのかなぁ。
だから動物たちの場合には、細かく色を見分けるということよりも、何が重要かというと、音を聞いたりだとか、においを嗅いだりしてどこに危険があるかだとか、食べ物があるかなということを感じるのが生きていく上で大事なんだな。
だからね、ちょっと覚えておいて欲しいのは、動物たちの多くっていうのは、人間とはちょっと違って、色を人間が見るときのようにクリアに、きれいに見分けるということはできていないということですね。

上野動物園・葛西 宣宏 先生

[戻る]