14. March 2001 on air

1935年東京生まれ。貿易会社の仕事をきっかけに150カ国以上を旅する。35歳のとき、子宮筋腫の手術を受ける。その後、72年にホテル・ニューオータニに託児所「タイニー・タッツ」を開設する。
43歳のとき、乳癌で再び手術。
一方、レース経験を積み、58歳でA級国際ライセンスを取得。95年オーストラリアン・サファリに出場、完走し、女性部門1位、総合9位に入る。同年末パリ/ダカールラリーに出場し、59位。98年エジプトラリーは11位。11年1月ダカールラリーに出場。
著書に「乳ガンが生きる力をくれた」など。
平成10年エイボン女性年度賞(スポーツ賞)受賞。

子どもが大好きな能城律子さん。
日本で初めてホテルの中に、誰でも利用出来るベビールームを作りました。
能城さん
「お母さんだけが子どもを抱かなければならない、このストレスのなかでお子さんを抱いて欲しくなかったんです。だからちょっと、預かるところが必要だと…。肌のぬくもりで赤ちゃんを育てて欲しいんですよ。お母さんたちの頭の中、理屈で考えながら育てるんじゃない、赤ちゃんはね、まず抱くこと」
そんな能城さん。
実は世界で最も過酷な『パリ・ダカールラリー』を始め、世界中のラリーを走りつづける、女性ドライバーでもあるのです。
能城さん
「レースをやっているときに生きている満足感ってありますね。苦しいです。レース中は、だけれどもそれを逃げないで、乗り越えたときに苦しみは喜びに変わるんですよ」

ラリーとベビールーム。
かけ離れた二つの世界ですが、能城さんの中では、ちょうどいバランスを保っています。
能城さん
「おちびチャンたちの顔をみるとリフレッシュされてネ。ばっと抱いてね、また喜びになって…。ラリーで砂だらけになることがリフレッシュされるのが、ここなんですね」
そして、国際ラリーに挑みます。走っているとき、いつも道端の子どもたちが気になるという能城さん。貧しい子どもたちのために、ホテルで要らなくなった紙や、色鉛筆などを届けるボランティアを始めました。
能城さん
「この愛は、子どもたちに通じるんですよ。この尊さっていうのはね、広げていきたいと思う。愛なくして何もできない。だから思います、愛は力だって…」
子どもたちの笑顔を見るため、今日も愛情を注ぎます。

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