きみが心に棲みついた

インタビュー

吉崎幸次郎役 桐谷健太さん

ドラマに出演すると聞いたときの感想、また役柄について

『タイガー&ドラゴン』(2005)でご一緒させていただいた(企画の)磯山さんが、「吉崎役は俺しか思い浮かばなかった」とオファーしてくれたんです。それで、情報が何もない状態で脚本を読ませてもらいました。その時の印象は、正直「これ大丈夫かな…?」って(笑)。何よりもまず「今日子に共感できるのかな?」「何で星名から逃げないの?」と思いました。
でも、しばらくして“依存したり、支配されている人は男女問わずたくさんいるのかもしれない”という思いがふと浮かんだときに、その目線で改めて読んでみたらすごく面白かったんですね。星名に依存し支配されている今日子が、ここからどう変わっていくんだろう。星名や吉崎との出会いによって、どう化学反応していくんだろう。そう感じたら読んでいる間にどんどん面白くなってきて。あんまり見たことのない作品で、すごく攻めているとも感じました。

吉崎幸次郎はどんな人物?

ぶっきらぼうで一瞬冷たく感じることもあるけれど、自分の思ったことをちゃんと出せる人ですね。本音もその場の空気を重くさせたくないから、機転でユーモアを利かせられる、心のある人物です。一方で本当は自分が目指していた文学から離れてしまっていることに対して負い目があり、影も感じます。こんなモテる役は初めてなので、プライベートにだんだん寄ってきたなって。…すみません、これは冗談ですが(笑)、でもよくある王子様的なかっこいい感じではなくて、数字で言えば2.5枚目。そこが良さかなと思っています。
吉崎は人間的な器が大きいので、ただ立っているだけでも包容力を感じられたら…。演じる上でやりがいがある男です。

“三角関係ラブストーリー”について。吉崎に一直線かと思いきや、星名に行ったり、今日子の行動が理解できないところもあります。

ある種、自分自身に依存・支配されていることがあるんでしょう。「この前まであの人に向いていたのにもうこっち?」って感じる人もいると思うんですが、人ってこういうこともあるかもなとも思うんです。もしかしたら自分の中にもあるんじゃないか、みたいなことを、見ている人も感じながら見れる作品なんじゃないかな。
三角関係どころか、四~五角関係、もしかしたらもっと広がってくるかもしれません。だからこの人たちはこう!と予定調和ではなく、みんな一本軸はあるけどそこで留まってない。毎話毎話変わってくるので、そこは毎週の楽しみにもなりますね。全員が面白い感じで動き回っているので、そこは脚本を見ていても面白いです。「あ、こう来たか」って新しい台本が来るたびに思います。
人間のドロっとした部分を描いた、決してキレイなラブストーリーではないですよね。でもそこが人間らしさがある作品なので、やっていてすごくやりがいがあります。

お仕事ドラマの一面もあります

今日子はいつも挙動不審でオドオドしているのに、仕事になるとすごく一生懸命で真剣に頑張っている。そこはすごく共感できます。吉崎とスズキ先生の関係性については、ドラマの中では数少ないホッコリと温かい場面になっているので、そこもすごく大切にしたいなと思っています。今まではコメディーリリーフとしての役割も多かったですが、今回はムロくんのアドリブに対して受けていく感じ。いつもの“ガーッ!”と出していく感覚とは真逆なので、それも今回すごく新鮮です。

今後楽しみなシーン

単純に吉崎って、今日子との出会いがきっかけで動いていく、そこの動きが面白いんです。ただ、シーンと言うよりも、動きをどう見せていこうかなという気持ちの方が強いですかね。最初は逃げ回っているヤツが、どう惹かれていくか。吉崎って、表現の仕方が結構広くあるので、どれをチョイスするか、それはすごく大切になってくる気がします。肩の力を抜いて、頑張ります(笑)。

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