INNOVATION

未来技術設計部

テレビ局の未来を“想像”して“創造”する、それが未来技術設計部。
番組を放送するには、カメラマンをはじめとする多くの現場技術や、実際に放送するためのステーション技術など、数多くの技術が必要となります。
未来技術設計部はコンテンツ制作を司るテレビ局の一員として常に挑戦をし続け、「最高の”時”で、明日の世界をつくる。」ための新しい価値やブラッシュアップした技術をプラスオンしていく大切な役割を担っています。

未来技術設計部では、新規技術の研究・開発と、2022年4月からサービスを開始した「TBS系リアルタイム配信」や「TBS FREE」のシステム設計・開発など、大きく分けて2つの業務に取り組んでいます。

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【開発業務】
テレビ局ならではの演出を可能にするなど、既存のシステムとは一味異なる独自のリモート出演システム「TBS BELL」や、北京オリンピックや世界陸上などの番組で用いられたバーチャル合成技術「XRステージ」、 遠く離れた中継先現場のカメラやスイッチャーなどを本社から制御する「リモートプロダクション」、複数のカメラ映像から3Dデジタルデータを生成する「ボリュメトリックキャプチャ」など、番組制作に革命を起こすクリエイティブなシステムを、トライアル&エラーを経ながら研究・開発しています。

【配信業務】
「TVer」「Paravi」「TBS FREE」などの様々なプラットフォームに向けた配信システムの設計・開発を行っています。
配信システムは、コンテンツ管理・アドテク(広告配信)・PLAYOUT(テレビのように時系列で配信していくシステム)・障害監視・権利物対応など、多岐にわたります。
それはまるで、放送局を丸ごと作り上げていくようなダイナミックな仕事。
今日も社内各所と連携しながら、「コンテンツドリブン時代」に向かって走っています。

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こんな開発をしています〜TBS BELL〜

コロナ禍で増えた、番組のリモート出演。一般のオンライン会議ツールは、画面に表示される映像や画像が固定されず並び順が変わってしまう、アカウントの登録に手間取り気軽に参加できない……など、通信環境や状況に大きく左右されることが多く、放送や番組制作に適していませんでした。
そのもどかしさを解決すべく、番組制作と放送に特化したリモート出演システムとして、コロナ禍の中わずか3ヶ月というスピードで「TBS BELL」を開発しました。

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【受賞歴】
TBS BELL
日本映画テレビ技術協会 MPTE AWARDS 2021「TBS独自のリモート出演システム「TBS BELL」」第74回技術開発賞
日本民間放送連盟賞「コンテンツ制作に特化した多人数リモート出演システム『TBS BELL』の開発」 優秀賞

XRステージ
日本民間放送連盟賞「北京オリンピック中継における 360°映像を用いたXRステージの構築」 優秀賞

メディアソリューション部

取材先やロケ先、スタジオ等で撮影・収録した映像素材は編集作業を経て、OAのための完パケを制作します。現在の運用では映像素材は映像ファイルとなっており、それら大量にある映像ファイルを扱う収録・素材管理・編集・送出や素材伝送のための設備をファイルベースやファイルベースシステムと呼んでいます。その中身は映像技術、IT技術、ネットワーク技術の固まりです。メディアソリューション部はそういった設備の開発・運用やそれらの設備を活用したワークフロー等を設計するファイルベースのプロフェッショナル集団です。

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現在のメディアソリューション部の大きな目標は、次世代のファイルベースシステムの開発です。キャッチフレーズは、

つでも (時間にとらわれず、待ち時間なども発生せず)

  こでも (局内や場所にとらわれず)

   げん無限の ”コンテンツ” を創れる (制約のない編集設備を提供する)

縦読みすると「挑む」。
現時点では夢のようなシステムですが、新技術を積極的に取り入れながら、報道、スポーツ、情報番組、バラエティ、ドラマ…ジャンルを超えた運用を支える次世代システムの研究開発を部署一丸で行っています。

こんな開発をしています〜千里眼〜

これまでTBS社内でしか閲覧(プレビュー)できなかった、ファイルベースシステムの映像を社外からでもセキュアにWebブラウザでストリーミング視聴できる「千里眼」というシステムをクラウド上に開発しました。

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【受賞歴】
映像情報メディア学会2020年度技術振興賞 進歩開発賞(現場運用部門)

データサイエンス

メディア業界では、放送や配信における映像や視聴率、視聴ログに関するデータを活用し、視聴者により良いコンテンツを提供しテレビ局の価値を高めるデータドリブンな活動が重要となっています。

総合マーケティングラボでは、ビッグデータの統計解析、画像認識や自然言語処理などのAI技術、プログラミング技術をベースにした「データサイエンス」を用いて、データの可視化・分析を行うことにより、特に放送分野や配信分野の課題解決・業務改善に取り組んでいます。

放送分野では、TBSの番組コンテンツをAIが解析し、テロップの色や位置、出演者の構図(ワンショット・ツーショット・バストショットなど)の全体的な傾向を分析することで、番組のイメージを可視化するシステムを研究・開発しています。

また、今後話題化する兆候・テーマを事前に発見し、生活者の欲求にこたえるコンテンツを創るため、SNSデータのテキスト分析の研究も行っています。

配信分野ではTBSのプラットフォームである「TBS FREE」において、統計的な視聴傾向を分析し関連コンテンツをレコメンドするアルゴリズム開発を行っています。

今後もTBSグループにおけるデータドリブンな活動のため、最新技術を積極的に学び、分析力の強化を推進していきます。