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▼宮崎県東臼杵郡にある椎葉村。
そこは平家落人の里といわれている。宮崎県の北西部、熊本県に接した椎葉村は山々と森に囲まれた、まさに隠れ谷といった趣である。 |
取材班が椎葉村に入るのには宮崎空港からではなく、隣の熊本空港からということになった。宮崎空港からも、熊本空港からも鹿児島空港からも、もっとも遠い所に椎葉村はあるのだが、その中でも、強いていえば熊本が近かったのだ。それでも空港から車で1時間40分。始めこそ阿蘇のなだらかで広大な風景が広がっていたが、やがて東に向かうにつれ、車は険しい山道に入ってゆく。気が付けば道は対向車とどうすれ違ったら良いか分からないくらい狭く、片側は崖、反対側は谷にはさまれた山深い光景が始まる。それはまさに、秘境への入り口だった。800年前、平家の落人たちは、この道を、いや、当時は恐らく道なき道を命からがら逃げのびたに違いない。そして鎌倉方の追手を阻んだ山々は、今も私たちの道程をも阻もうとしているかのようだった。
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