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京都大学大学院 岡真理教授インタビュー
〜カダフィ大佐の死の意味を考える〜

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「京都大学大学院 岡真理教授インタビュー」は動画でも、ご覧いただけます。

親米・反米

金平キャスター
カダフィの死亡の第一報を聞いて何を思った?
岡 教授
咄嗟に思い浮かんだのはイラクのサダムフセインの事でした。
金平キャスター
似ているという事ですか?
岡 教授
似ているというほどカダフィがどうやって死んだのかを知らなかったのですが、カダフィが死んだという事を聞いて、イメージとして思い浮かんだのがサダムフセインの死でした。
金平キャスター
フセインの場合は処刑だった、その時も携帯で映像も流れた(映像を見せる)残酷な映像、ちょっとだけ見せようと思う、僕もあんまり見たくはないが・・・。
岡 教授
一種のリンチですね。
金平キャスター
捕獲された瞬間の映像を見て何か感じる事はありますか?
岡 教授
カザフィがなくなったときに思い浮かべたのはサダムフセインのことだったのですが・・・確かに逃亡して、隠れていて殺されるという、この映像を見て思い出したのはチャウシェスクだった。カザフィのリビアの最後の瞬間ではなくて、むしろこれからのリビアの最初の瞬間がこれで始まったという風に感じた。つまりこういう形で始まってしまったこれからのリビアというのは一体どうなってしまうのだろうということです。
金平キャスター
処刑から始まるという事ですか?
岡 教授
はい。
金平キャスター
カダフィの歴史的評価はこれからとして、今この瞬間は独裁者が倒れたと長い目でみると、王政を倒した軍事クーデター・・・カダフィの功績とかの分析はどう?
岡 教授
独裁者が独裁者でありうるのは、可能にするいろいろな条件があるから。単なる独裁者が存在するか分からないが、王政を倒して革命政権。旧体制を倒して革命政権であるのがこの後の政権の正当性を担保することで独裁化するのはエジプトのナセル体制、アルジェリアの一党独裁、中国共産党、朝鮮民主主義人民共和国と同じようなもの。クーデターを功績とするなら、その功績とカダフィが独裁だったのは表裏一体の関係にある。今後の歴史において反米の形で最後まで異議を唱え続けたというのが、それによって彼の正当性が国内で担保いってしまう。それをどう評価されるか。
金平キャスター
いわゆる「アラブの春」というように民衆革命の流れがあるが、中東研究家である岡さんから見てこういった点に留意した方が良いという点はありますか?
岡 教授
私は全くチュニジアやエジプトと同じような「アラブの春」という風には思えないです。確かにチュニジアで起きたジャスミン革命がエジプトに飛び火して、オマーンであるとかイエメンであるとか、そしてシリア、リビアというところに広がっていったという意味ではジャスミン革命に端を発する一連の中東の動きの1つとして中東の民衆蜂起がはじまったと言えるのですが、しかしその後の展開というか、カダフィの最後を見ると、それは決してジャスミン革命、あるいはエジプトの1月25日革命がアラブの春とこと焦がれるようなリビアの春ではないと思います。
金平キャスター
NATOの介入はどの程度影響を与えた?
岡 教授
チュニジアの場合もエジプトの場合も非暴力で革命を実現。リビアの場合カダフィの勢力が民衆に対する空爆をするということがあってNATO軍、外国の軍隊が介入する隙を作った。内戦になって、ただリビアの人を救うではなく、NATO軍が攻撃した部分は、ポストカダフィ体制のリビア側をつけたいというのが感じられます。むしろ、チュニジア、エジプトの体制崩壊は、親米独裁者がアメリカと同盟して、それに反対する国民たちを、政治的に弾圧するというような独裁体制に対する民衆の放棄。リビアの場合は、イスライルと同盟しているような、アメリカのありかたに申し立てをしているという国で存在していた。それが、独裁でもあり、カザフィ独裁というものが倒れたというのは、リビアの人たちにとってうれしいことだと思うが、イスラエルのあり方に、意義を唱え、アメリカというものに意義を唱えていた、イラクをアメリカが潰す必要があった。 それを、タイ戦争とかイラク戦争とか口実で攻撃して、サダムフセインを崩壊させた。それと同じようなことをリビアに感じている。チュニジアとエジプト革命とは質が違う。
金平キャスター
欧米社会との関係で言うと、チュニジア、エジプトは親米独裁ですよね。リビアの場合は反米独裁。
岡 教授
エジプトのナセル体制と同じで、革命政権ということで担保されて、それによる独裁。
金平キャスター
次はシリアだと。そういうものにカダフィの死がインパクト与えてプレッシャーを与えないといけない。
岡 教授
それは中東の民主化ではなくて、アラブの春以前からアメリカが進めていたイラク、シリア、イランという中東でアメリカの世界秩序に異議を申し立てる、中東のイスラエルの存在への脅威になる国を潰す動き。そういう意味でチュニジア・エジプト特にエジプトの革命・単に独裁が倒れたのとまったく同じでないことの先触れとは言えるかも。
金平キャスター
アメリカ側から見るとアメリカ流の民主主義を実践した勝利なんじゃないですか?
岡 教授
アメリカ流の民主主義の勝利というよりもアメリカの帝国主義対する、それによって抑圧されていた民衆の勝利だと思う。

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