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映画『アンダー・コントロール』ザッテル監督インタビュー

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「映画『アンダー・コントロール』ザッテル監督インタビュー」は動画でも、ご覧いただけます。

金平キャスター
この「アンダー・コントロール」というタイトルに込めた想いは何ですか?
ザッテル監督
このタイトルを選んだのは多くの意味があるからです。まず人間が原子力を制御しようと努力してきたことです。一方で、正反対のすべてを制御することができないという意味が隠されているのです。そして、皆さんに自分の想像力を使って考えてほしいという願いも込めました。見たもの聞いたもの全てをそのまま信じてしまうのではなく、自分で考えてほしいということです。
金平キャスター
解体された原子炉の風景が、瓦礫のような形になって出てくるところがあったのですが、何か黙示録的な光景というか。神という概念とこの映画は何かつながりがあるのではないかと、僕は日本人なのでそう感じたのですが…。
ザッテル監督
リサーチをしたり、原発に行って多くの人と知りあったりするたびに感じたのは、技術や進歩への信仰、信じているということを感じたのです。今では批判的に見られていますが、人間は技術で自然を支配できるという信仰を持っているような気がしました。なので、原発の巨大な建物が、私にはまるで聖堂のように見えました。
金平キャスター
日本の事故がまだ続いていますけど、日本でこの映画が上映されることはどういう意味を持つと考えますか?
ザッテル監督
皆さんにとって重要な映画だと思うのです。皆さん とても不安にとらわれていて感情的になっています。なので、イデオロギーから解放されたこの映画を見てそれぞれ考えていただければと思いました。メディアや政府の情報は信じられないというふうに思ってしまうものもありますので。
金平キャスター
こういう状況の下でも、日本の中でもやっぱり日本は原子力発電を推進すべきだという、主に産業側からの要請ですとか、あるいは過疎化が進んだ村の生き残り策として、こういう強い要望があるという現実があるのですけど、それについて何かお考えはありますか?
ザッテル監督
日本もドイツも原発があって大きくなったということを忘れてはいけないと思います。原発を進めようという要望もありましたし、それに対するプロパガンダもありました。原子力の問題は簡単には切り離せない。例えば雇用とか重要だと思います。なので、代替となる方法を探すのは簡単ではないと思います。
金平キャスター
人間というのはすでに存在している核廃棄物と共存できると思いますか?それとも無理だと思いますか?
ザッテル監督
私は映画の中でもその問題を提示したかったのです。今、原発を止めても残ったものがもたらす問題は とても大きい。これから どうこの問題とつきあえばいいのか、この問題をどう取り上げればいいのか。そんな思いを込めてこの映画の中にもそういったシーンを入れました。それには何年も何年も長い道のりが待っていると思います。
金平キャスター
日本は広島とか長崎で原子爆弾の体験をしていて、そのあと戦後は一転して、原子力の平和利用に邁進してきた日本人に対して、監督からどういうメッセージを送りたいですか?
ザッテル監督
私もよく聞かれました。日本は原爆を経験しているのに、なぜかと。なぜテクノロジーを、エネルギーを得るために使うのだろうと。放射性物質の恐ろしさを知っているはずなのに、なぜ原発を使っているのか。政府が平和利用に大変いいようなことだと説き伏せてきたと聞いています。福島の事故があって、皆さんに重要なのは一人ひとりがこの問題について考えて、政治や経済の側面を批判的にとらえていくことが重要ではないかと思います。
ザッテル監督
ドイツの原発は世界で最も安全だと言われてきました。結局、電力会社はそれを説明できなかったわけで…。

フォルカー・ザッテル監督
1970年 ドイツ・マンハイム近郊生まれ
共同監督を除いて「アンダー・コントロール」は初の長編ドキュメンタリー作品。

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