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なぜ高い!水道料金 (2008/4/26 放送)

水余りなのになぜ!?

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 三重県伊賀市の隣、名張市にある青連寺ダム。大阪市が年間9,000万円の維持管理費などを払ってこのダムに水利権(9万トン/日)を持っているのだ。

 大阪市の水道の使用量は1970年をピークに減り続け、最近は毎日100万トン近い水余り状態が続いている。

 理由は、節水意識の浸透と節水機器の普及だ。トイレもこの10年で節水が進んだ。

○電器店の店員
「10年前のトイレは1回流すたびに13リットルの水が流れていました。超節水トイレは一回流す量が半分以下の6リットルになります。」

 このため大阪市水道局では、最も水需要の多い夏場でも余った水を利用して市内各地でミスト散布を行っているほどだ。

 それなら、この余った大阪市の水利権を伊賀市に譲ればいいのではないか?そう提案しているのは、国土交通省の諮問機関「淀川水系流域委員会」だ。

○淀川水系流域委員会・宮本博司委員長
「(大阪市で)億の単位の維持費が使われているわけですね。それを少しでも軽減するということもあるんで。」

 委員会の提案によると、大阪市は青連寺ダムに持つ一日9万トンの水利権のうち3万トンを伊賀市に譲る。その代わり伊賀市は大阪市が負担している9,000万円の維持管理費の一部を払うというものだ。大阪市は負担が減り、伊賀市も安く水を手に入れることができる。

 この提案に伊賀市長は…

○伊賀市・今岡睦之市長
「どこの水でなくてはならないとか、そんなんこだわってないですよ。」

 そこで委員会は2008年2月、大阪市の平松市長に会い直談判した。

○宮本委員長
「大阪市が琵琶湖、淀川で持ってる水利権。これはかなり余裕があることはあるんです。大阪市にとってもメリットある、伊賀市にとってもメリットある、ということであれば、我々が最終的に決めることじゃないですけど検討される余地はあるんじゃないか。」
○大阪市・平松邦夫市長
「もちろん…」
○大阪市の水道担当者
「あの私たち水道事業管理者としてね…」

 突然、話に割り込んできた大阪市の水道担当者。あくまで水利権は譲れない、とかたくなな姿勢を示す。

○大阪市水道局・近藤明男局長(当時)
「これから街作り、環境の問題を考えますと、やっぱり今の水利権そのものは必要だ、というのが私の、元水道事業管理者としての気持ちです。」
○宮本委員長
「今までの考え方もある程度柔軟に変えないと。全部大阪市民の問題ですよね。大阪市役所というのでなく、大阪市民の立場でお考えされる余地はないのかな?と。」
○平松市長
「水をどうやって安定的に供給すべきかということだけを考えてきた職員の意見は、やっぱり私にとって非常に大事なものですから。」

 徒労に終わった感もある直談判。大阪市は1%の水利権も譲る考えはないようだ。

○大阪市水道局・速見義一部長(当時)
「これからいろいろな大阪の街の活性化、そういったものに水は非常に大事な要素ですので、大阪市としては市民の貴重な財産である経済的な水利権を自ら手放すということはありません。」

 毎日100万トン近い水利権を余らせながら、なぜわずかな水利権も他の自治体に譲れないのだろうか?

 「脱ダム宣言」の田中康夫氏は…

○新党日本・田中康夫代表
「つまり子供が使ってないおもちゃを従兄弟にあげましょうよ、と言うと『嫌だ』と急に愛おしくなるのと同じような具合でしょ。なんか自分たちの既得権を侵されると思ってる。でも実際に使ってないんだから。その裏で、シメシメ、だからダム造らなきゃ、ウッシッシという人たちがいる。」

 もし大阪市が水利権を譲り伊賀市が新たなダムからの取水を必要としなければ、川上ダムを造る根拠がなくなってしまうとの指摘もある。

○宮本委員長
「もし全量、(川上ダムの)利水は必要ないということになれば、水資源機構が川上ダムを造るという法的な根拠はなくなります。」
○記者
「計画は大幅に変更しなければならないのか?」
○宮本委員長
「そういうことになります。」
  
 そうした事情もあってか、国土交通省は大阪市と伊賀市の水利権のやりとりには否定的だ。

○国土交通省近畿地方整備局・井上智夫河川調査官
「今すぐに水源を転用するということは適切ではないと考えている。現時点では大阪市も水源を転用する考えがないと聞いていますし。」

 許可権限を持ちながら水利権の調整には動かない国土交通省。


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