2006年に公開された映画「タイヨウのうた」。主人公の病気XPは紫外線にあたると皮膚がんになる上、体のしびれなどの神経障害も併発する病気です。
皮膚がんになるプロセスは解明されていますが、特効薬はなく、紫外線を避けることでしか寿命をのばすことはできません。
東京都内に住む長谷川雅子さんも、娘の恵(めぐみ)さんの病気XPの難病指定を求める運動をしてきました。メディアに取り上げられ世間の注目が集まったことは、難病指定実現への大きな助けになったと感じています。
生後10ヶ月でXPと診断された恵さんの病状は、全身のマヒにまで進んでいます。XPの難病指定は研究への助成が対象で、治療費の補助は対象にはなっていません。
それでも「難病」として国に指定されることは、患者やその家族にとってプラスだと長谷川さんは言います。
○長谷川さん
「治りたい、治すための研究をしてほしい。今の日本では難病指定にすがるしかない。毎年新しい患者さんが出てきていることを思うと、患者さんにとっても、すごく希望が持てることじゃないかな。」
当初、XPの難病指定は、関係者の間でも「難しい」と思われていました。それだけに、XPの難病指定はポルフィリン症の患者や医療関係者にも希望を与えました。もしかしたら、自分たちの病気も難病指定されるのではないか。鉄兵さんはそう感じました。
2007年11月、鉄兵さんは、名古屋市内で開催されたポルフィリン症の患者団体「さくら友の会」の会合に初めて参加しました。
○鉄兵さん
「皆さんと一緒に難病指定に取り組みたいと思いますので、よろしくお願いします。」
しかし、鉄兵さんが訴えた「難病指定」について触れる人はいませんでした。鉄兵さんが声をあげました。
○鉄兵さん
「病気のことを知ってもらわない限り、何も始まらないと思う。皆さん、ネガティブ過ぎると言うか。病気なんだからしょうがないから、今の生活をもっと変えていきたいと思う。」
会員からは、さまざまな意見が出ました。
○会員
「活動に積極的になりたいけど自分の生活の時間をどこまで割けるか。」
○会員
「何もしないのは患者の会として意味がないのでは。」
○会員
「やっぱり行動を起こさないと絶対にいけないと思うんです。」
会の代表はこう話します。
○さくら友の会 近藤雅雄代表
「池谷君の発言が大きかったですね。隠れてもしょうがないので、どんどん出ていって、自分たちの病気をあちこちに出して支持を得られれば、難病指定も不可能なことはないですね。」
鉄兵さんは、大学のゼミ仲間と共に、ポルフィリン症の難病指定について勉強してきました。難病指定は簡単にできるとは思っていませんが、今後は、患者の負担軽減についても国に働きかけたいと考え始めています。
○鉄兵さん
「自分の中では、補助を受けるというよりも病気をほかの人に知ってもらうことが一番大切だと考えています。確かに制度も大切だが、知ってもらわないと始まらない。」
まずは、病気の存在を知ってほしい。そこから全てが始まる、と20歳になった鉄兵さんは私たちに繰り返しました。