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負の遺産・危機遺産・無形遺産

世界遺産は、一般的に知られている文化遺産・自然遺産・複合遺産のカテゴリ以外にも「負の遺産」「危機遺産」「無形遺産」と3つの遺産が存在する。

負の遺産

(写真)「負の遺産」とは、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所や原爆ドーム、バーミヤン遺跡など。これらのサイトは普遍的な価値があると同時に戦争や人種差別など、人類が引き起こしてしまった過ちを証明するサイトでもある。これらは文化遺産・自然遺産・複合遺産のように、世界遺産条約の中で明確に定義付けされているわけではない。しかし、それらサイトが持つ歴史的背景などを知り守ることは、同じ過ちを二度と繰り返してはいけないという事を未来へ伝えるメッセージの役割も担っている。

危機遺産

(写真)次に「危機遺産」とは、エルサレムの旧市街とその城壁群やガラパゴス諸島など。これらのサイトは、地震や自然災害などの天災、紛争や戦争、環境汚染、密猟、観光地化によりもたらされる公害など人的災害により危機・危険な状態にある。このような状態になった場合「危機にさらされている世界遺産リスト」、通称「危機遺産」に登録される。登録されたサイトは、世界遺産条約締約国からの出資金、団体・個人の寄付金などで成り立つ世界遺産基金より、緊急的に支援を受け、保護や修復を行う事ができる。結果、危機的状況から回復したと判断されれば、危機遺産リストから削除されるが、逆に悪化し、普遍的な価値が失われてしまったと判断された場合は、世界遺産の登録を削除されてしまう場合もある。

無形遺産

(写真)最後に「無形遺産」。シシリアの人形劇や、日本の能楽、中央アフリカのアカ・ピグミー族の口承伝統などだ。これら音楽や踊り、工芸、呪術、文化空間など、民族的な文化や口承により伝えられてきた伝統は、正式な実体のないものもある。しかし、形は無くとも人類が大切に守るべき遺産であるという事が認められ、2003年「無形文化遺産の保護に関する条約」通称「無形遺産」として採択された。現在までに90のサイトが登録されている。