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202015日放送

ラス・メドゥラス 〜 ローマ帝国の金山!山を崩した700キロの水路

放送内容

スペイン北西部に奇岩の森「ラス・メドゥラス」はあります。ここはローマ帝国最大の金山でした。1世紀に始まった砂金の採掘は200年間続きます。古代ローマ人が行った金の採掘法は「山崩し」という画期的なものでした。水の力で山を崩壊させたのです。森にそびえる奇岩の群は、金を掘った後の山の残骸でした。ラス・メドゥラスで取れた砂金は、750トン。それは金貨となり、ローマ帝国の繁栄を支えたのです。

驚異の山崩し

古代ローマ人は、大量の砂金を一度に得るため「山崩し」という驚くべき採掘法を考え出します。山頂に作った貯水池から、事前に掘ってあった何本ものトンネルに水を流し、人工的に土砂崩れを起こしました。その大量の土砂から、効率よく砂金を採りだしたのです。

写真:放送内容

700キロの水路

「山崩し」には大量の水が必要でした。古代ローマには高度な水利技術があったのです。水源の山から、わずかな傾斜をつけた水路を何本も引いて、ラス・メドゥラスまで水を運びました。その総延長は700キロといわれます。

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人が作った奇妙な景観

奇岩の森の周りには奇妙な景観がありました。その1つは人工湖。金の採掘のために出た土砂が川を堰き止めたのです。もう1つが大量の石の山。土砂から出た石ころが、2000年間そのまま放置されているのです。すべて「山崩し」が残した、歴史の跡です。

写真:放送内容

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