過去の放送内容

今回のがっちりマンデーは、「京急電鉄株式会社」!略して「京急」!
東京品川から川崎、横浜、横須賀と神奈川エリアを結んでいる路線。
昨年は年間利用客が2.5%の純増、4億9500万人と儲かっている!
京急マニアも大興奮の「赤い彗星」京急快特に、人力で勝負のアナログ運行。京急儲かりの裏側に迫ります!

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◎京急快特「赤い彗星」スピードのヒミツと、儲かり路線“空港線”

まずは京急の路線をおさらい。
東京品川、川崎、横浜、横須賀と、神奈川を結ぶ本線と、途中蒲田駅から分岐して羽田空港までをつなぐ空港線などがあって、総区間は87キロ。

その始まりは、今から118年前の明治31年に運行していた川崎から川崎大師まで参拝客を運ぶ目的で作られた大師(だいし)電気鉄道。

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現在の年間の利用客は、のべ4億5900万人!

京急の特徴といえば、とにかく速い!
京急快特は、マニアの間で「赤い彗星」と呼ばれていて、首都圏の電車の中でもトップクラスのスピード、マックス120キロを誇る!

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並走するライバルのJR東海道線が、品川、横浜間を川崎に一度停車して17分で走るのに対し、京急は、蒲田、川崎とツーストップするにも関わらず、同じく17分で走行!

では、どうしてこんなに早く走れるのでしょうか?
そのヒミツを探るべく、元運転士で京急の運転計画のチーフ、吉田さんと一緒に快特に乗ってみました!
スピードが出せる一番の理由とは?

吉田さん:レールの幅がJR線などと比べて広い。新幹線と同じ幅を採用していることが一つのポイント。

そう、京急の線路の幅は、JRや他の私鉄より幅広の1435mm。
逗子線の一部に、JRと京急、両方の車両が走る区間があるというので、見せて頂くと・・・

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この内側のレールがJR用、外側が京急用。
京急の線路の方が40?近くも広いんです!

線路幅が広い分、電車が安定する、だからよりスピードが出せちゃう!ってことなんです。

吉田さん:鮫洲を通過してから、ほぼ直線が続きますので、120キロの本番というところです

いよいよ赤い彗星が本領を発揮する、最高速度120キロ区間へ…!
と思ったら、前方で点滅してる信号を発見!これは何ですか?

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吉田さん:抑速信号と呼んでまして、京浜急行が120キロで走れるポイントの一つです。日本で初めて(京急が)導入しました。

それまで鉄道の信号は、スピードを出すとき、「全速で走ってよし」の青信号と、「減速して時速75キロ以下で走れ」という青と黄色信号しかありませんでした。
そこで京急が考えたのが、黄色と青が点滅している『抑速して105キロに落としなさい』という信号。

そして、きつめのカーブを曲がる時には、運転手さんにしかわからないあるサインが!
線路わきに4・・・6・・・8って・・・

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この数字、いったい何なんでしょうか?

吉田さん:曲線になりますと速度を落とさなければならないよという「制限標識」というのがかかっているんですが、あの数字は、その制限区間を後ろの車両が抜けたという、編成両数を表しているんです

例えば、8両編成の電車がスピードを落としてカーブに進入する時、運転士さんは、8の数字を見て、最後尾がカーブ区間をぬけたというのを確認。
そこからはぐいぐい加速する!

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吉田さん:そうすれば一秒でも速度制限を低く走らずに済むので、一秒でも無駄にせず走行できます。

そして、京急の儲かりを支えているのが、京急蒲田から羽田まで伸びる路線、空港線。
品川から羽田空港国内線ターミナルまで最速14分、横浜からだと26分。
駅の利用客は国内線ターミナル・国際線ターミナル合わせて1日10万人っていうからスゴイ!

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この空港線、品川、横浜の両方面から来ても、蒲田駅での乗り換えなしで空港に行けるのがウリなんですが、駅の構造を見てみると、こっちが羽田方面。

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品川側からは、すーっと行けるけど、横浜からはどうするのか?
実は京急蒲田駅では、全国でも珍しい電車の動きが見られるんです。

横浜方面からの羽田直通、つまり乗り換えなしで羽田に向かう電車は、一度京急蒲田駅に停車したら。今までと逆方向に動き出し、そしてそのまま空港線に!

吉田さん:直通でそのまま座ってご乗車いただける。
スタッフ:その代り進行方向が逆になるんですね?
吉田さん:進行方向が変わるだけでお乗換えの不便さを解消しています。

ホームで見てみると、横浜方面から電車が到着したら、運転士が降りてきた。
すると待っていた車掌さんが乗り込む。

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先頭の車両では、その逆が行われていて、あっという間に出発進行!
いわゆる「スイッチバック」用に、運転士、車掌をもう一組用意することで、スムーズな運行を実現してるってわけなんです。

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横浜方面から初めて乗るお客さん、進行方向が突然変わっても、驚かないでね!


▼スタジオでお聞きしました。

進藤:スピードへのこだわりが、すごくあると思うのですが?

原田さん:なるべく早く電車を動かすのは基本。「一秒たりとも無駄にしない」という言葉とおり、1秒が全体の遅れにつながってしまう。

加藤:JRと並ぶ瞬間がたまにありますよね?

原田さん:非常に血肉湧き踊る感じですね!時々電車に乗って、JRと並んだときは「ん〜!!」という感じですね。

◎遅れない京急のアナログ運行の裏側

京急の自慢は、スピードが速いだけじゃなく、遅れないってことも!
一週間あたりの遅延発生回数、10分以上の遅れが0.25回以下と、首都圏の路線の中で最も低い、つまり、電車がほとんど遅れないんです。

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でもそれって走ってる電車の数が他より少ないのでは?

吉田さん:電車の本数が少ないわけではないです。一日にだいたい1600本以上の電車が走っていて、かなりな本数がラッシュ時にも走っています。

朝の金沢文庫駅を見てみると、2分おきに電車が出たり入ったり。
一時間に30本近くが走る、かなりの過密ダイヤなのです。

それでも京急の遅れが一番少ないのには、驚きの理由を教えてもらうべく、金沢文庫駅のある建物にやってきました。
運転区と呼ばれる関係者以外立ち入り禁止の部屋を見せてもらうと・・

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目の前にあるたくさんのスイッチを、ぱちぱち一人で動かしている人が!
これ、なにをしてるんでしょう?運転区長の飯島さんに教えていただきました。

飯島区長:金沢文庫駅構内に進入してくる列車の信号テコ操作といいまして、進行信号を現示して、列車を駅構内に進入させています。

京急の拠点駅のひとつ、金沢文庫駅を発着する電車の、信号操作や、ポイントの切り替えを一人で、すべて手作業で行っているのだとか。

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金沢文庫駅で行う信号操作は一日なんと7000回。4本の線路に次々と入ってくる電車を絶対にミスなくさばくのが求められる。
この仕事、油断大敵なのはもちろん、雑念に打ち勝つ集中力が必要なのです。

飯島区長:同業他社さんはほとんどがコンピューター制御、TTCで行っているんですが、弊社におきましては長年の伝統で、人の力でこういう作業を行っています

普通は、コンピューターで制御するのが、駅の信号管理。それをあえて、アナログな手作業で行う。
でもこれが、京急の電車が遅れない一番のヒミツ!って一体どうして?

飯島区長:事故とか輸送障害が発生した場合、人間の柔軟な対応の方が、早期に正常運行に戻せるという当社の考えです。

手作業にこだわるのは、トラブルが起きた時の対応のため。

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事故や故障などもしもの時、コンピューターだと、プログラムを組み替えるのに、けっこうな時間がかかるし、その間、慣れない手動で動かすのもまた大変!
普段から手作業で動かしていれば、いざというときも臨機応変に対応できるってわけ。

そして京急がアナログなのは、駅のホームでも。品川や横浜など、主要な駅では・・・

駅員さん:一番線の電車まもなく発車いたします

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駅員さんがお立ち台で仕切る!今や主流の自動放送ではなく、ワイヤレスマイクを使って、肉声でアナウンスするのが京急流。
これにももちろん理由があるんですよね?内之倉さん!

内之倉さん:緊急時にすぐ放送等で列車を止めたりすることもあるので、あまり自動放送は使わないようにして、駅係員の方でそれぞれやっています。

このお立ち台もトラブル発生時に電車を早く動かすためのアナログツールなんですね。
そして、よくある自動放送だと、
「ドアが閉まります、ご注意ください」
ですが、京急では車掌さんが自らの責任を言葉にこめて、

車掌さん:ドアを閉めます
閉まります、じゃなく閉めます、になるのもなんだか気持ちいい!

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そして、京急の運転士全員が持っているのがこの懐中時計。
運転席の、ここに!

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でも、アナログの時計ってけっこう狂いやすいような?と思ったら、乗務員の待機場所乗務区で、これまたすごいアナログ作業を発見。

カウンターに基準となる時計が置いてあって、自分の懐中時計と秒針まで合わせてる!

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金沢文庫乗務区の葛貫区長、どうしてですか?

葛貫区長:電波時計にすれば簡単ですけど、時間の意識を本人に持たせるために、あえてうちの会社ではこの時計を使っています。

そしてもう一つ、京急にはトラブルを最小にするために車両にもヒミツがあるらしい。
鉄道本部車両課の中村さん、どういうことですか?

中村さん:当社の特徴としては、先頭車、列車の両端につく先頭車は、すべて電動車となっております。

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通常、モーター付きの車両、電動車は、車列のどこかに2両分ついていればいいらしいのですが、京急の電車は、一番前と後ろの車両を必ず電動車にしている。
その理由は…、

中村さん:先頭電動車は重いから、障害物があってぶつかっても浮き上がらない、跳ね飛ばす。

もっと言うと、もしも線路上の障害物にぶつかっても、先頭車両が重いから脱線はするかもしれないけど、ひっくり返ることはない!

そして、電車の上の電線にもよーく見ないと分からない、京急ならではのこだわり、“合成電車線”が!
近くまで行って見せてもらうと・・・

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これが普通の銅製の電車線、に対して京急のは・・・

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電車線が上下に二本くっついてる!

電線を2本使えば、コストもそれなりにかかるけど、強度が上がって、より大きな電気が流せる。
合成電車線にしてから49年間、京急の責任で、一度も電車線が切れたことがない!らしい!
電線のトラブルが少ないのも、電車が遅れないのにつながってるってことなんですね。

▼スタジオでお聞きしました。

加藤:他社とは全然違いますね!

原田さん:小さな会社なので、知恵を絞り出して、87kmの走行区間を有効に使うには、と考えた末のアイディアが詰まっています。

進藤:徹底してアナログにこだわっていますね!

原田さん:VTRにあった懐中時計は、秒針を合わせて「今日も1日運行するんだ!」という誇り。持てるのは運転士だけで、私も運転士はやっていないので持っていないんですよ!

加藤:人間がやることの意味というのは?コンピュータの方が安全な気がしてしまうのですが…

原田さん:何かあった時だけ人力でやろうとしても、日々やっていないと上手くいかない。いざという時のためにも、日々の積み重ねが大事。

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