過去の放送内容

今日のがっちりマンデーは、文具メーカー「キングジム」!
会社の名前は知らないって人でも、棚に並んでる、青いファイルや、文字入りのシールが簡単に作れる、「テプラ」なら、見たことありますよね!
「事務」の「王様」だから、キングジム!年間売上げ、330億円の上場企業!
業界の異端児、キングジムの、とことんニッチな儲かりのヒミツに迫る30分です!

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◎最大のロングセラー「キングファイル」のヒミツ

キングジムが誇る、最大のロングセラーといえば…書類などの整理整頓に欠かせない、“キングファイル”!

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1954年の発売以降基本のスタイルはそのままに、60年以上売れ続け、累計販売数は、なんと5億冊! ずーっと売れているのには、わけがある!ってことで、そのヒミツを探るべく、千葉県にある松戸事業所へ。

羽田さん:よろしくお願いします。
スタッフ:羽田さんは、キングファイルの担当なんですか?
羽田さん:はい。そうです。13年やっております。
スタッフ:13年ずっとファイルだけ?
羽田さん:はい。ファイルのとじ具をずっと。この部分ですね。

羽田さんは、キングファイルの中でも、特にこの部分!内側で紙を綴じる、“とじ具”の開発担当。
「とじ具」だけで、この62年間、つまり羽田さんが生まれる前から、20回にも及ぶ、細かい改良が施されているんだとか!

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1964年、軽量化を目指して、この部分をカット。これで、110グラムの減量に成功。
さらに、1975年には、「とじ具」が両開きタイプに。
これなら、下に入れた書類でも楽々取り出せる!
1999年 には、「とじ具」そのものがファイルから簡単に取り外せるようになった。
これなら、手間いらずで分別ごみに出せちゃいますね!
とにかく、いろいろ改良されてるキングファイルの「とじ具」。
その歴史の中で、羽田さんお気に入りの、地味〜で、しかし画期的な改良がなされたのが1996年。

羽田さん:ここの斜めになっている部分が変わってます。

それまで直角だった“とじ具”の角を、ちょっとだけ斜めに削った。ホントにビミョーな改良。

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でも、これが、ユーザーのことを考え抜いた、抜群のアイデアだったそうなんです。
ファイルの表紙は、その分厚さのため、折った時にどうしても、内側にポコッと出っ張ちゃう!
それまでのファイルは、このでっぱりが当たらないように「とじ具」をつけていたため、余分な隙間が生まれ、幅を取っていた。もうお分かりですよね?
「とじ具」の角を斜めにすることで、折り目部分の位置を、少しだけ内側にできるって仕組み!
収納枚数はそのままに、ファイルの幅を左右合わせて8ミリ減らすことに成功!
これ、小さな変化に見えますが、今まで7冊しか置けなかったスペースに、8冊置けるようになった。まさに、キングファイル革命なのです!!

◎儲かりの大黒柱「テプラ」を支える地味な作業とは…?

そしてキングジムには、会社を支える、もう1つの儲かり大黒柱がある!
それが…テプラ!

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好きな文字を打ちこんで、それをその場で簡単にシールにできちゃうって機械で…
作ったシールがこんな風に貼ってあるの、皆さんも見たことありません?
テプラの責任者、堀井さん、実際どのくらい売れてるんですか?

堀井さん:テプラは1988年に発売されて以降、累計で900万台を突破しています。

累計販売数は、およそ900万台!なんと3000億円を売上げたという超儲かり商品!!
さてさて、これぞニッチな大黒柱、テプラは、どうやって誕生したのか?

テプラが発売されたのは、いまから28年前。
当時、世の中には急速にワープロが広まり、キングジム社内でも、
「いつまでもアナログな文具ばっかり作ってちゃダメだ!何か電子文具を作ろう!」って話に。
しかし…

堀井さん:いきなりノウハウのないものに挑戦しても勝算はないので、ファイルの背表紙の名前付けというところでラベルライターの開発を考えました。

というわけで、当初は、主力商品であるキングファイルの、背表紙用のラベルを作る機械として開発されたんだとか。こうして生まれた、初期型のテプラ。
当時、1万6800円したのにも関わらず、どこでも、手軽に、キレイな文字が貼れる!ってことで、オフィスのマストアイテムに!
なかでも、きれい好きOLさんたちに予想外の大好評!!
だったらと、キングジムさんも、様々なニーズに応えるテプラを開発!
ラベルにミシン目が付いていて、簡単にファイルの見出しを整頓できる、インデックスラベルや、お子さんの名札に使えるアイロンラベル、ホワイトボード用のマグネットタイプなんてものまで。
多彩な機能が、凝り性女子のハートをがっちり掴んだってわけ!
バンバン売れてるテプラですが、新しいラベル誕生の舞台裏には、知られざる地味な作業も。
なんとも隅っこでこじんまりと。3台のテプラの横で、何やら黙々と。

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あの、お忙しいところちょっと…

スタッフ:すみません、これ今何をやってるんですか?
青田さん:こちら新製品で先月末に出たテープなんですけど、いろんな機種で実際に印刷を行ってみて、文字が欠けてしまってたり、そういうことをしないかというのを確認しています。
青田さん:プリントして、切って貼って、切って貼って、プリントして、切って貼って…っていうのを繰り返します。

そうこれ、慎重には慎重を期して新しく世に送り出したラベルが、色んな種類のテプラ本体で、問題なく印刷できているかをこれでもかと確認しているのです。
キングジムではこのラベルを、開発した班がやるっていう決まりになっていて、青田さんも、自分たちが作った新色の「透明」なラベルを、紙に貼った状態で文字に欠けている部分や、かすれが無いかを細かく確認。
ラベルには7種類の太さがあるため、チェックに4時間以上と、なんとも気の遠くなるような。

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青田さん:ちょっと見ていただくと分かるかなと思うんですけど、この書くという字のちょっと上の部分…

え?なんかあったの?

青田さん:ドットが少し薄いかなと…分かります?
スタッフ:分からないです(笑)

確かによーく見ると、文字の後ろにあるドットの濃さが違う。

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テプラ本体の問題なのか、ラベル側に問題があるのか、青田さん、製造部門にご注進だ!
現在発売されているラベルの種類は、300種類以上、新しいテプラが出ると、また一から確認のし直し。
年間で平均5種類の新しいラベルががでてくる、ってことで、その度にラベルを調べ〜るって…今度目薬差し入れしますよ!

▼スタジオでお聞きしました。

加藤:なんで「テプラ」っていうんですか?
宮本社長:テプラっていうのは、T、E、P、R、Aが、Timely、Easy、Portable、Rapid、Affix、と言って、いつでもどこでも手軽に貼れるんです、という深い意味があるんです。

◎独創的な商品を生み出す「開発会議」に潜入!

事務用品の王様「キングジム」の、もう一つの儲かりの特徴は、世の中にない、独創的な商品で勝負してるってところ!
テプラはもちろんのこと、パッと開くだけで、すぐ用件をメモできる、デジタルメモ『ポメラ』は、累計30万台の大ヒット!

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ノートに書いた内容をカメラで撮れば、スマートフォンで管理できちゃう、『ショットノート』は、累計500万冊と、ノートとしては異例の人気商品に!

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どうしてキングジムでは、こんな斬新なヒット商品を次々と世に放てるのか?
その辺をさぐるべく、やって来たのは、東京千代田区にあるキングジム本社。
こちら、開発本部長の亀田さんによると、その戦略のひとつが、他の会社とは大きく違う、開発会議にあるらしい。

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亀田さん:課の中でミーティングをして、それから部内会議。そこの部内会議で、商品化を図ってみようとなった時には開発会議に。大きくは3段階になっています。

キングジムが新商品を開発するにあたり、会議は3段階に、って、それ、どこだってそのくらいは…
百聞は一見にしかず。まずは1段階の会議へ、おじゃまします!
こちらには、開発4課のみなさん。アナログな文具がご担当。
どうやら、このミーティングには、各自、アイデアを持ち寄ってる、ご様子。
なんだか、皆さん楽しそう!

勝見さん:円周率ノートというノートですね。こういうノートで、見た目は普通のノートなんですけど、よーく見ると罫線が全て円周率で形成されている…。

勝見さんの発案は、円周率ノート!
どこまでも続く円周率の数字で、罫線を引こうってこと!それに刺激されてなのか!

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開発者A:素数だけがひたすら続いてるノートとかすごい好きだと思います。
開発者B:理科は、すいへいりーべいとか並んでるみたいな。
開発者C:地図記号が永遠と…。

おお!どんどん乗っかってくる!自分ならこうしたいという意見続々。
実は、キングジムの1段階目の会議は、あまり、否定はしないで、違った角度からの各自アイデアを出していく原則で進められる。
そうすれば、パッと見、いけてないアイデアでも、思わぬ商品に化けることがあるんですって!
そして、このミーティングで、反応が良かったモノは、コストなどの細かい部分まで考えて、次のステップ、第二段階の会議にもちこまれる!
この日は、その会議が開かれた…。

山田さん:失礼します。今日はお時間いただきありがとうございます。考えた商品の企画についてご意見をいただければと思い、今回持ってきました。

開発一課の山田さん。どんなアイデアを持ってきたのか…。緊張の面持ち…。

それもそのはず、この第2段階の会議で正対しているのは、安蒜(あんびる)開発部部長と、開発トップの亀田本部長。
特に亀田本部長は、あの「テプラ」を生み出した、キングジム、伝説のエース的存在なのだ。
いよいよ、プレゼン開始!

山田さん:靴ひもがすごくほどけてしまって困っている、という意見がありました。商品としては、ほどけやすい靴ひもの上から、止められるクリップを提案致します。

山田さんたちがプレゼンするのは、「くつひもクリップ」。

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ほどけやすいスニーカーの靴紐を、カンタンに止められるクリップを考え出した。
こりゃなかなか!
でも、レジェンドの琴線に触れるのか?

亀田さん:これキングジムブランド?
山田さん:はい。文房具のクリップのイメージで、靴紐にも付けられますよ、というような展開をしたいな、と思ってますのでキングジムブランドがいいかなと思います。

亀田さん:紐靴ってかなり昔からあるじゃない?だから比較的出来上がりきってるものじゃない?靴のメーカーでもないうちが、後発で参入するのは苦労が多いんだけど、リターンは少ない。

この第二段階、部内会議で亀田さんが判断するのは、その商品が、きちんと「儲かるスキマ」を狙っているかどうか。
スキマが大きすぎると、大手が入ってくる。スキマが小さいと、商品が売れない。
そして、スキマにマッチしてても、後発だと作っても儲からない。
と、なかなか厳しい判断基準だ。

亀田さん:これを売ったら次は何がある?
山田さん:そこまでは考えていなかったです。

亀田さん:ちょっとしたアイデア品なんて、いくらでも思いつくじゃない。でもそれってビジネスとは違うよね。これは無いな。

第1段階の会議で広げるだけ広げたアイデアを、部内会議で、厳しくチェック。
このメリハリにこそ、きらりと光る斬新な商品を生み出す、秘訣があるんだとか。

山田さん:結構周りに聞いたところ、いいじゃん!という意見が多かったので、どうやって売るとかまで考えずに持ってきてしまったのが失敗だったかな、と。またリベンジできたらな、と思います。

一方、厳しい部内会議を見事突破し、選び抜かれたアイデアが、いよいよ最終ステージを迎えるということで、月に1度開かれる、第3段階の開発会議に潜入!
この日のプレゼンは、開発2課の渡部さん。

スタッフ:どんな商品を?
渡辺さん:イヤホンの形をした目覚まし時計を企画してまして。

渡部さんが考えたのは、目覚まし機能付きのイヤホン。

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設定した時刻になると…イヤホンがブルブル振動して、確実に起こしてくれるってもの!
この会議に出席するのは、全ての役員と「営業」「経営」「物流」など、各部門責任者のお歴々。
そして、最後にのっそりやって来たのが…宮本彰社長。

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商品化へのGOサインは出るのか!?
いよいよ、緊迫の会議がスタート渡部さん、がんばって!

渡辺さん:では、開発コードくずり、イヤホン付バイブレーションアラームの上申をさせていただきます。電車、新幹線、バスなど乗り過ごさずに、安心して居眠りしたいだとか…。

若干声が震えがちな渡辺さんが、商品を説明。
すると…

宮本社長:電車の中で音がしなくても目が覚めるからいいよ、っていう企画ですか?
渡辺さん:周りに迷惑をかけないで自分だけ起きたい、という人のための企画となります。
宮本社長:そういう経験ってみんなあるのかな?俺はないけど。

あれ?なんだか、とってもなごやかムード??

経営管理本部長:ニーズはスゴくある!気がつかれないように起きる、という。

ずいぶん皆さん前向き!!こんなんでいいのかな??
そして、10分後・・・。

宮本社長:いいですかね?割と思ったより評判よかったですね。はい、じゃあOKです。

ありゃ〜、オッケーになっちゃった!けっこうあっさり!
なんでもこの第三段階の会議では、提案の9割以上が承認されるんだとか。びっくり!
社長、そんなバンバンオッケー出して大丈夫!?

宮本社長:売れるかどうかっていうのは、みんな疑問に思う商品が多いんですよね。だけど、最後この会議で役員全員が一致して通したことによって、仮に売れなくても担当者の責任じゃないですよ、と。みんなが決めたことなんだから。そのための会議だと思ってます。

そう、スキマ狙いのキングジム商品は、10個にひとつ、打率1割でもヒットに繋がれば上々。
大事なのは、どの商品も、みんなで力を合わせ、売っていこう、というチームプレイの精神。
例え売れなくても、みんなの責任!
だから失敗を怖れず、斬新な発想で商品開発に取り組めるってわけ!

スタッフ:会議通ったじゃないですか?今、安心してますか?
渡部さん:かなり安心しました。ホッとしてます。
スタッフ:売れますか?
渡部さん:自信あります!

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ちょっと顔赤いよ!こりゃ、期待できそうだ!

▼スタジオでお聞きしました。

加藤:あんな感じで、社長、OKって出しちゃうんですね!
宮本社長:そこまで高いハードル潜り抜けてきてますので、信じる価値があるという風に思ってますから、基本的にOKですね。
加藤:何回中1回当たればいい感じですか?
宮本社長:まったく新しい新規概念の商品は、10個に1個でいいって言ってます。
加藤:その中でやっぱり社長とかも、この10個あるうちのこれは絶対当たるだろうみたいなのはあるんですか?
宮本社長:なかなかないです。もうほとんど分からないです、出してみないと。

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