第1067回
世界を魅了した山岳リゾート スイスアルプス100年の記憶
2008/08/30(土)21:00〜

坂本 三佳 (さかもと みか)
1980年9月13日生まれ。趣味は映画鑑賞、音楽鑑賞。特技はクラリネット演奏。女優として数々のCM、ドラマ、映画に出演。歌手としても活躍中。
ミステリーハンターは今回で39回目(スペシャルの回は含まず)。

今回「世界ふしぎ発見!」の舞台は、スイスアルプス。雄大な山並みと、美しい高原や湖。「まるで絵にかいたような」と言われる景観は、世界中の人が憧れ、多くの人を魅了してきました。またスイスは、険しい山に路線が張り巡らされた鉄道王国としても知られています。なかでも最も愛されているのが、およそ100年前に開通し、今年7月には世界遺産にも登録されたベルニナ鉄道です。その魅力はなんといっても車窓から望めるアルプスの絶景。イタリアの町からベルニナ鉄道に乗ったミステリーハンターの坂本三佳さんは、世界屈指のリゾート・サンモリッツへ向かいました。
7月に世界遺産に登録されたばかりのベルニナ鉄道に乗って
ベルニナ鉄道の旅は、イタリアのティラーノという町から出発しました。ティラーノは、イタリアといっても北部のスイス国境近くにある町なので、雰囲気はスイスに近いですね。駅前にパスタのお店があったりするところが、イタリアっぽいと感じるくらいで(笑)。始めは町中を走っていますが、少しするともうアルプスの山に入っていきます。ベルニナ鉄道は、およそ100年前に開通した路線ですし、ほぼ山岳地帯を走るので、普通の列車より速度が遅いんです。車はもちろん自転車に抜かれることもあるくらいでした(笑)。でもそれがこの鉄道の魅力のひとつなんです。とてもゆっくり走るので、美しいアルプスの景色を心ゆくまで楽しめます。車両は、レトロタイプと最新式がありました。レトロタイプは、二人掛けが向き合った、イスも直角な懐かしい車両。こちらは地元の方が移動手段で乗っていることが多いですね。
私が乗った車両は、「ハコネ」号でした。実はベルニナ鉄道、箱根登山鉄道と姉妹列車なんだそうです。ですから駅名も日本語表記があるんです。日本人としては、とても親近感を感じますよね。そして最新式は、窓が大きな展望車両です。シートもリクライニングできますし、観光客の方たちがたくさんいました。面白かったのが、車内販売のワゴンです。山羊のようなぬいぐるみがついているんです。そのぬいぐるみは、剥製のようによくできていて、思わず見入ってしまいました。
車窓から見るアルプスの絶景
アルプスの麓の町ティラーノから、山脈へ上っていくまでの景観の移り変わりはとてもすばらしかったです。高度をかせぐために、線路がループ状に敷かれているのもベルニナ鉄道の見所で、通り過ぎた町が少しずつ小さくなって、やがておもちゃの箱庭のようになっていく様子はとても微笑ましかったですね。また山に入っていくと初夏のみずみずしい森林、そして所々湖や高原がパッと広がっていて、それはもうきれいでした。けれど森林限界(これ以上高いところでは木が生えないというライン)がくると、まるで線を引いたように高い樹木はなくなります。山の上の方は、ゴツゴツした岩と氷河。車内の空気もスーッと冷たくなります。そして氷河は、太陽の光線が当たるとキラキラと輝いて、本当に美しかったです。
私はヘリからもベルニナ鉄道を見ましたが、険しい山に敷かれた鉄道網を見たとき「これを造るのはさぞ大変だったろうなぁ」と思わずにいられませんでした。しかも100年前に建設したのですから、今以上に苦しく危険な作業だったに違いありません。当初は観光が目的ではなかったのでしょうが、今スイスアルプスの絶景を、多くの人が気軽に楽しめるのは、ベルニナ鉄道を始めとする鉄道のおかげです。ベルニナ鉄道の運転手の方によると、この路線は高低差が激しいので、体調管理をしっかりして勤務に臨まないと具合が悪くなることがあるそうです。そのお話を伺って、私たちは車窓から見える景色をうっとりと眺めているだけですからあまり実感はわきませんが、簡単に行くことができない場所にいるんだと思いました。スイスに鉄道を敷いた方たちには、心から感謝したいですね。

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