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#10 「ちぃ 買う」
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脚本: | 大久保智康 |
絵コンテ: | 青山ひろし |
演出: | 渕上 誠 |
作画監督: | 村上元一 |
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結局、ちぃは、駅前通りの洋菓子店『チロル』でバイトをする事になり、ひと安心の本須和なのであった。
そして、稼いだお金を持って、ちぃは一人、本屋に来ていた。
「秀樹、これでちぃの好きなもの買っていいって言った。でも……やっぱりちぃ、秀樹に何かあげたい。」
そうしてちぃは、本須和の為に、オカズの成人向け写真集を物色するのであった……。
「秀樹、これ持ってる。これ持ってる。これ持ってる……これ、秀樹、持ってない。」
周囲で右往左往する男性客の事など、これっぽっちも眼中にない、ちぃであった……。
その頃、本須和は、新保に誘われて、銭湯に出かけていた。 そして、そこで新保から、パソコンも風呂に入れなくてはならない事を教わっていた。 見ると、銭湯の料金表示にもちゃんと“パソコン”の項目がある。
「でも……お前んトコのパソコン、“風呂の入り方”、知ってんのか?」
なんでも、普通のパソコンは、ソフトを使って学習して、自分で洗えるようになるらしい。
とは言えそんなソフト、買う金など本須和にはなく、それに、そういうソフトをちぃにインストールできるかどうかも判らなかった。
となると、
「教えてやればいいんだ、お前が。」
「何を?」
「“風呂の入り方”ってヤツをさ。自分一人で洗えるように。それなら、金もかかんない。」
「そ、そっかぁ……。」
そうして本須和は、自分でちぃに“風呂の入り方”を教える事にしたのだったが――。 |

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