寺田的世陸別視点

第17回8月28日(火)

陸上4日目は男子200m予選・準決勝にV候補の飯塚&小池が登場
女子800mは北村&塩見が44年ぶりのメダルに挑戦

28日は陸上競技も後半戦の4日目に入る。
短距離では金メダルが期待される男子200mの予選と準決勝が行われる。
女子5000mと、前半4種目が行われる女子七種競技はメダルの可能性が高い。やってみないとわからない部分も大きいが、より良い色のメダルも期待したい。
女子800mは2人が決勝に進出。昨年からレベルが上がっている勢いが、アジアでどの程度通用するか。
そして今大会から初めて実施される男女混合4×400mリレーは、初代チャンピオンの座に挑む。

男子200mは2組に飯塚翔太(ミズノ)、3組に小池祐貴(ANA)が出場する。
飯塚は4×100mリレーではリオ五輪銀メダル、昨年のロンドン世界陸上銅メダル。ともに2走として世界的な実績を残している。だが、個人種目では五輪&世界陸上の準決勝で上位争いができていない。前回のアジア大会も4位とメダルを逃している。
まずはアジア大会のタイトルを取り、個人種目でも五輪&世界陸上での決勝進出へのステップとしたい。
小池は今季、急成長した選手。昨シーズン途中から臼井淳一コーチ(走幅跳元日本記録保持者)の指導を仰ぎ、それまでの我流のトレーニングを改めた。
「徹底してケガをしないトレーニングをしています。ケガをしないから、昨日よりも今日の方がいい走りができて、今日出た反省を明日に生かしてと、1日1日、ちょっとずつでもレベルアップできているので、当たり前のように強くなれる。単純な話、昨日よりいい走りを毎日続けているだけです」
今季のアジアリストでは小池の20秒29が、参加選手中では1位。2位が20秒33の楊俊瀚(チャイニーズタイペイ)で、3位が20秒34の飯塚、4位が20秒39の別舸(中国)、5位が20秒40のTaegeon PARK(韓国)。日本勢優位というよりも、この5人に金メダルのチャンスがありそうだ。
予選の小池は今大会100m5位の楊と当たる。飯塚はリオ五輪で準決勝まで進んだY・ヤクーブ(バーレーン)と同組になった。各組3着と、4位以下の上位4人が準決勝に進出する。予選突破は問題ないが、準決勝を楽に通過するためにも、1着で通過しておきたい。
準決勝は日本時間の21:15開始。シーズンベスト上位選手同士が激突する。通過は確実だが、決勝でシードレーン(走りやすい中央の4つのレーン)を取るために、悪くとも2着で通過したい。

女子5000m(21:50スタート)は山ノ内みなみ(京セラ)と鍋島莉奈(JP日本郵政グループ)の2人。鍋島の15分10秒91は今季アジアリストで1位、山ノ内は元市民ランナーで、実業団入りしてわずか1年でアジア大会代表に成長した。鍋島がラスト勝負を得意とするタイプで、山ノ内は先頭を引っ張る選手がいなければ、自身でハイペースに持ち込むだろう。
だが、25日の女子10000mを見てわかるように、持ちタイムが良くてもなかなか勝てないのがアジアである。10000mで優勝したD・マスロワ(キルギスタン)は、昨年15分00秒42で走っている。バーレーンの2選手はエチオピア出身で持ち記録も15分0秒台と15分10秒台。メダルを取ったら健闘と言える種目だろう。

男子800m(21:40)では日本記録保持者の川元奨(スズキ浜松AC)が決勝に進んだが、準決勝は1組4位。着順で通過できず、記録上位2人の2番目でぎりぎりの通過だった。一夜明けて状態が一気に上向くこともある。準決勝のように1周目から先頭に立つことはないと思われるが、思い切ったスパートを期待したい。
女子800m(21:30)には北村夢(エディオン)と塩見綾乃(立命大)の2人が決勝に進出した。予選は塩見が1組2位、北村が3組2位と、しっかり着順で通過した。北村が昨年出した2分00秒92は、17&18年シーズンを通じてアジア最高タイムだが、今季アジアリスト1位のM・エルバーライ(バーレーン)は、モロッコ国籍だった5年前に2分00秒82で走っている。
ただ、この種目のアジアのレベルが近年下がっているのも事実。日本がメダルを取れば44年ぶりとなる。前回は代表派遣すらできなかった種目。北村はアジア大会の目標を「挑戦者としてメダルを目標にしている」と話した。日本の女子800mの充実を示す大会としたい。

4日目最終種目は男女混成の4×400mリレー。男女2名ずつが出場し、男女が同じ走順を走ることもある。個人種目や、5・6日目に行われる男女それぞれの4×400mリレーとの兼ね合いもあり、日本も外国もメンバーがわからない。
ただ、すでに終了している男女400mと男女400m障害の結果を見ると、バーレーンが強そうだ。女子400m優勝のS・ナセルと女子400m障害優勝のO・アデコヤ、男子400m3位のA・カミスがいる。特に女子が強力で、かなり優位に立っている。

寺田 辰朗(てらだ たつお)プロフィール

陸上競技専門のフリーライター。
陸上競技マガジン編集部に12年4カ月勤務後に独立。
専門誌出身の特徴を生かし、陸上競技の詳しい情報を紹介することをライフワークとする。
一見、数字の羅列に見えるデータから、その中に潜む人間ドラマを見つけだすことは当代随一。
地道な資料整理など、泥臭い仕事が自身のバックボーンだと言う。
選手、指導者たちからの信頼も厚い。AJPS(日本スポーツプレス協会)会員。

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