鷲津は、以前与一との勝負に敗れた際、いぶきから借りたハンカチを、いまだに返すことができずにいた。
早く返さないと嫌われてしまうかもしれない、とはいえ級友たちの前で直接渡すのははずかしい。
考えた挙句、鷲津はハンカチを封筒に入れ、いぶきの下駄箱に返しておく作戦に出る。
そこに「屋上で待ってます」との手紙を添えて……。
放課後、鷲津は屋上で、いぶきとの思い出に浸りながら彼女が来るのを待っていた。
孤立していた自分に優しく接してくれたいぶきに、この募りに募った思いを思いを伝えようと、ひとり燃え上がる鷲津。
だが、そんな彼の前に現れたのは……。