【85】「戦いの火蓋が切って落とされる」?:清水大輔の『お言葉ですが…』

聞いたことがありますよね、きっと。v 「戦いの火蓋が切って落とされる」…だけど、これは、間違いです。

「幕が切って落とされる」と「火蓋が切られた」とを混同しての誤用です。
では正しくは、何と言いますか?
「戦いの火蓋が切られた」です。
昔、歌舞伎の幕は、その上部を、幕を吊るす横棒の突起に引っ掛け、棒を回転させることで開演時に幕を落としていました。

一方、「火蓋」は、火縄銃の火薬皿の蓋。「切る」は、閉じていたものを開くこと。
「封を切る」の「切る」と同じです。
よって、「火蓋を切って」戦いが始まった。…という表現になるのです。
だから、
○ 戦いの火蓋(火縄銃の蓋)が切られた
(火縄銃の火縄に蓋がついていてその蓋を開ける・切る・事で銃を撃つ準備=戦いを始めること) 
× 戦いの火蓋が切って落とされた
(火蓋を切って落とすのでは意味が通じないから、表現としては間違いです)

「戦いの幕が切って落とされた。」
 (歌舞伎で一気に幕が落ちる演出から)ならOKです。

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