【63】「矢先」の使い方:清水大輔の『お言葉ですが…』

途端(or直後)雨が降ってきた。 (誤)免許を取った矢先の事故だった。 → (正)免許を取ってすぐの事故だった。

注意ポイント:「矢先」の前に過去形は付かない!のです。
では、次の例はどうでしょう。

(例)家を出ようとした矢先、電話がかかってきた。→ これは正しい用法です。
先程の「家を出た途端、雨が降ってきた。」だと、もう家を出てしまっている(=過去形である)のが分かりますが、今度の文では、「電話がかかってきた」のは、家を出ようとしたちょうどその時。まだ家を出てはいません。
○○しようとした」というのは、「ちょうどしようとしたけれど、まだしていないという意味で、「もうしてしまった」という過去を表したものではありません。
注意ポイント:「矢先」と言う表現が使えるのは、「○○しようとする直前」、「行動を起こす前」!
ちなみに一応、耳に入れておくハナシ…

「矢先」の説明について、数ある辞書の中でも『広辞苑』だけは、
矢先:事のまさに始まろうとするとき、またはその直後。
と、「矢先」に「直後」の意味がある(=過去形も可)としています。
少数派とはいえ、「直後」の用法を認める辞書があるということは、今後「揺れていることば」になっていくのでしょう。

しかし、アナウンススクールの校長としては、やはり「本来の意味・使い方を知って、正しく言葉を使用するべき」だと考えます。

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