アートギャラリー


Photograph by Robert McKeever, courtesy of Gagosian Gallery
©Estate of Tom Wesselmann / VAGA, N. Y. & JASPAR, Tokyo, 2013 E0434
《グレート・アメリカン・ヌード #50》
1961年より始められたウェッセルマンの代表的シリーズ「グレート・アメリカン・ヌード」のひとつである。ウェッセルマンは、ヨーロッパの伝統的な絵画の主題であるヌードを題材としつつ、それを広告印刷物などのコラージュによって、大量生産される商品に囲まれた同時代のアメリカ的生活の中に表現した。本作でもルノワールやセザンヌの絵画の複製が引用されている。
また、実物のラジオ、ジンジャーエールの瓶や林檎といったオブジェが置かれることによって、平面の絵画空間から立体的なアッサンブラージュへの展開がみられる。ラジオは実際に稼動し音楽を流すことができた。
赤いガウンを身に纏って横たわり、微笑みを湛えて煙草をくゆらす女性は、アメリカ的生活を謳歌する象徴的な姿であり、同時に彼女自身もまた、広告写真のような大量に複製されるイメージからとられている。