アートギャラリー


Photograph by Hiroyasu Sakaguchi
©2013 The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts,Inc./ARS,N.Y./JASPAR,Tokyo E0434
《キミコ・パワーズ》
《マリリン・モンロー》、《エリザベス・テイラー》、《ジャッキー(ジャクリーヌ・ケネディ)》、《マオ(毛沢東)》、そして《自画像》など、ウォーホルの作品において、ポートレイトは一貫して重要な位置を占めてきた。映画スター、政治家、芸術家、犯罪者のような大衆に共有され消費されるイメージから、1970年代以降、友人や社交界の名士へと徐々にその対象は広がり、やがてポラロイド写真に基づく規格化された発注肖像画に発展する。
和服姿の美しい《キミコ・パワーズ》は、なかでもターニング・ポイントとも言える重要な連作である。ウォーホルの古くからの友人であったパワーズ夫妻は、25点をグリッド状に並べた約5m角の大画面としてテキサス州コーパス・クリスティでのグループ展で発表された連作のうち、展覧会終了後、現在の9点を約3m角に再構成して手元に置き、残りを友人や親戚に斡旋したという。なお、キミコ夫人のポートレイトは、1980年代にかけて他に3つのシリーズが制作されている。