第3話より:日向誠へのメッセージカード=帽子屋

聖林大学付属病院の顧問弁護士を務める日向は、その手腕と人気によりテレビでもおなじみで、何より弱者の味方として、周囲から厚い信頼を得ている人格者という表向きの姿と、その裏では病院内で起こった手術ミスやトラブルなどの隠蔽工作に関わっているという、法律のプロにあるまじきダークな人物でした。
そんな日向に明日美が送りつけたメッセージカードは、「帽子屋」が法律書の中にたくさんのドクロを詰め込んでいるというイラスト。そこには「Truth in Darkness=真実は暗闇に」という言葉が書き添えられていましたが、そのイラストの通り、“法”を悪用して犠牲者(=真実)を隠蔽する日向の行いを図案化したものです。
この帽子屋は「不思議の国のアリス」中では、「ばかばかしいお茶会(A Mad Tea-Party)」というシーンで登場します。三月ウサギの庭で眠りネズミと一緒の終わることのないお茶会の中、帽子屋は無作法な物言いでアリスを怒らせてしまいます。なお、この帽子屋は、アリスが描かれた当時の、「Mad as a hatter=帽子屋のように気が変になる」という有名な慣用句から発想されたそうです。