2010年10月6日(水)〜10月28日(木)
9月12日(日)午後4時30分〜54分(TBSにて放送)
「坂東玉三郎、究極の愛。新たなる美への挑戦」
ナレーター:中村獅童
言葉の壁、高音で歌いながらの演技、誇り高い中国人俳優たちとの衝突。
立ちはだかる様々な困難。
上海万博で絶賛を博し、この秋、東京で初上演されるまでの1000日間におよぶ坂東玉三郎の挑戦にカメラは密着した。
9月19日(日)午後2時〜2時54分放送 BS-TBS
9月5日、12日、19日、26日放送 各午後5時54分〜6時 BS-TBS
9月3日更新
昭和32年12月東横ホール『寺子屋』の小太郎で坂東喜の字を名のり初舞台。
39年6月十四代目守田勘弥の養子となり、歌舞伎座『心中刀は氷の朔日』のおたまほかで五代目坂東玉三郎を襲名。
蘇州昆劇院
牡丹亭は、明代の劇作家湯顕祖の代表作で、1598年頃に執筆された昆劇の最高傑作である。
55幕もある原作は、全てを上演すると10日もの時間を要する。
そのため、通常はその中からストーリ性の高い場面を抜粋して演じられる。
10年前より中国の伝統芸能に興味を抱き、中国と日本の伝統文化交流を夢見ていた坂東玉三郎が熟考し、最終選定した作品がこの「牡丹亭」の中の6場面である。
玉三郎は2005年より度々蘇州を訪れ、昆劇のレッスンに励んだ。
そして、中国語の中でも最も難しいといわれる蘇州語の台詞を習得し、主人公「杜麗娘」をつくりあげることに成功した。
2008年、昆劇・日中合同制作「牡丹亭」公演が、京都南座と北京の2都市で幕をあけた。
全七場の中で玉三郎本人の出演は厳選した三場。
牡丹亭の完成度をより高くするため、蘇州昆劇院の役者と主人公杜麗娘を演じ分けたトライアル公演だったが、坂東玉三郎への賞賛の拍手はいつまでも鳴り止まなかった。
その後、蘇州、上海で次々と上演。回を増すごとに登場シーンを増やし、上海では遂に、坂東玉三郎が主人杜麗娘を全場面演じるという、玉三郎版「牡丹亭」が完成したのである。
見事な中国語(蘇州語)のせりふと歌を駆使する玉三郎の迫真の演技は、中国の観客を魅了し、舞台は大成功のうちに幕を閉じた。
中国の伝統劇である昆劇が、日本の歌舞伎の立女形によって新しい命を得たことは、中国の観客にとって大きな衝撃であり、同時に新しい昆劇を見出すこととなったのである。
「玉三郎は、日本だけではなく、もはやアジアの至宝だ!」
中国メディアも絶賛し、今や坂東玉三郎は、今や日本のみならず、中国でも押しも押されもせぬ大スターとなった。
この度上演される『牡丹亭』は、原作55幕から「遊園」「驚夢(堆花)」「写真」「離壊」「幽媾」「回生」を選び、この6幕を通して、春の思いに戸惑う杜麗娘が、恋心を追い求め、生きては死に、死してはまた生き返るロマンチックな物語を描き出し、皆様にお届けいたします。
深閨に育てられた杜麗娘はある春の日、陽気に誘われ生まれて初めて部屋を抜け出し、次女の春香が見つけた花園に遊ぶ。美しく咲き乱れる花々や鳥の声に包まれ、過ぎ行く自分の春の空しさを思ってまどろむと、夢の神に連れられて、自分を探して追ってきたという麗しい若者・柳夢梅が現れる。
瞬く間に恋に落ちた二人は、十三人の花神たちの祝福の中で結ばれ、歓喜の時を過ごすが、母親の呼び声にふと目が醒めて、気がつけばすべて夢であった。
夢の恋が忘れられず、柳夢梅への思いは日増しに募るばかり。春香に言われてのぞいた鏡の中の、変わりはて痩せ衰えた自分の姿に驚いた杜麗娘は、はかなくなる命を予感し、自ら筆を取り、絵姿を描き残す。絵を見て「その隣に夫となる人がいれば」という春香に、花園の夢での出会いをはじめて打ち明け、思いを詩に詠み、絵に書きつける。
想いが日に日に命を削る杜麗娘の病はいよいよ重くなり、雨のそぼ降る中秋の名月の晩、春香と母にこれまでの恩と別れの言葉を述べ、「自分が死んだら花園の梅の木の下に埋めてほしい」と言い遺し、はかなくさびしく、この世を去る。
柳夢梅は、科挙の試験のため都に向かう途中、杜家の屋敷跡に宿を取り、庭の太湖石の下から杜麗娘の絵姿を見つけ、自分かかつて会った人が現実にいたことを知ります。
昼によるにと絵姿に語りかけるうちに、ついに花の神を感動させ、杜麗娘はこの世に蘇って、二人は晴れて結ばれるのでした。
玉三郎は平成二十一年秋、第五十七回菊池寛賞に輝いた。歴代の名優たちが受賞者に名を連ね、歌舞伎俳優として名誉ある授賞といえる。その授賞理由として、「歌舞伎のみならず近代劇、映像、中国昆劇と活躍の場を広げている」とある。時代を代表する至高の女形として、歌舞伎のさまざまな役柄については、すでにさまざまなことが書かれており、ここでそのことを繰り返すつもりはない。玉三郎が歌舞伎のみならず、世界の演劇、舞台芸術史上に果たした大きな役割については、いずれきちんとした評価がなされなくてはならないだろう。
昭和五十九年、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場で演じた『鷺娘』以来、玉三郎は西欧のバレエ、音楽とのコラボレーションを積み重ねてきた。
ひとつ挙げておきたいのは、菊池寛賞にあった「中国昆劇」のことだ。蘇州昆劇院との共演による牡丹亭』(ぼたんてい)でヒロイン、杜麗娘(とれいじょう)を演じた舞台は、日本では平成二十年三月に京都南座で初演されたのみで、東京では未上演である。従って、日本で玉三郎の演じる昆劇を見た人は多くない。しかし、中国では玉三郎は、北京、蘇州、上海と『牡丹亭』の上演を重ねており、そのつど出演する場面を増やし、杜麗娘の役柄を掘り下げ、進化させている。
女形の伝統が途絶えた中国で、玉三郎が演じた舞台は、日本で想像する以上の反響をよんでいる。
伝説の名女形であった梅蘭芳(メイランファン)が世を去って半世紀近く。文革の嵐を経て、伝統演劇は変質を余儀なくされ、危機に瀕している。梅蘭芳の舞台を見たことがあるという年老いた観客は、玉三郎の杜麗娘に涙を流した。伝統的女形をその目で見ることがほとんどなかった中国の観客に、玉三郎が与えたインパクトがいかに大きなものだったか。そのことを知ろうと思ったら、中国語の検索サイトに「玉三郎」の名を打ち込んでみるといい。「日本の梅蘭芳」とよばれる玉三郎についての、膨大な数の記事やブログを発見するだろう。
梅蘭芳と玉三郎。日中を代表する二人の女形は生前、相まみえることはなかった。しかし、その生涯を通して追求してきたことは多くの面で重なり合う。梅蘭芳は京劇の女形(男胆)の地位を高め、新たな演目を確立し、世界にその芸術を広めた。二十世紀初めに来日し、日本の観客の心を虜にした梅蘭芳は五代目歌右衛門ら多くの歌舞伎俳優と交流し、化粧法などをとりいれた。
そして、一世紀後に中国に単身渡った玉三郎は、演技、衣裳、化粧法などを工夫し、昆劇を自分のものにして中国人の心をとらえた。彼の演じる杜麗娘には「透明感」があり、「日本的な無常」を感じたと評価されている。
言葉と文化の壁を乗り越え、六百年の歴史をもつ異国の伝統演劇に飛び込んで成功を収めたことは、世界の演劇史上、誰もやろうとしなかった快挙といっていい。そこに至るまでは、想像を絶する苦難があったはずだが、稽古のため蘇州に滞在する玉三郎は、至福の時を過ごしているように見えた。一度途絶えた女形の伝統を復活させるのは難しい。それは中国のみならず、将来日本でもありえることだろう。玉三郎が自らの肉体で挑んだ仕事は、時空を超越し、女形の舞台表現が世界に通じる普遍性をもつことを示そうとした試みにほかならない。北京、蘇州、上海と続いた玉三郎の『牡丹亭』は完成に近づいている。
石山俊彦 演劇ジャーナリスト(演劇界2010年1月号より抜粋)
| 日程 | 2010/10 | |||||||||||
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| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |
| 開演時間 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
| 14:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
| 19:00 | ● | ● | ● | ● | ||||||||
| 日程 | 2010/10 | ||||||||||
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| 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | |
| 開演時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 |
| 14:00 | 休 演 |
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| 19:00 | ● | ● | ● | ● | |||||||
※開場時間は各開演30分前
2010年10月6日(水)〜2010年10月28日(木)
S席 12,500円 / A席 9,500円(税込) ※未就学児童入場不可 ※日本語字幕有り
7月3日(土)一般発売開始
・ACTオンラインチケット
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・チケットスペース
03-3234-9999
・チケットホン松竹(10時〜18時)
0570-000-489[ナビダイヤル/10時〜18時]
東京:03-6745-0333
大阪:06-6530-0333
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