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Tomoっチャオ!

vol.07「リビングウイルについて」

黒川:
『リビングウイル』って何ですか?
今井:
自分が死んでいくときにされる医療に関する意思を書いたものです。意識がなくなったときの死に備えて,人工呼吸器、移植などの拒否の希望などがかいてあります。
黒川:
今回の昌江さんはお医者さんでしたのでこれを残したということですね。
今井:
心臓は動いて機械で人工呼吸をしているけれど脳の機能がない状態、昌江さんのような状況の場合はどうでしょうか?
黒川:
呼吸はしていても、話すことも動くこともできないんですよね。
今井:
出来ません。人工呼吸器をつければ紗綾さんのお母さんのように長く生きることが出来る。だけど、人工呼吸器をつけなければ呼吸が弱くなって死んでしまう。そのとき、どうしますか?
黒川:
やっぱり家族だったら生きていて欲しいと思うかもしれません。でも… 見ているのが辛くなるかもしれません。
今井:
そうですね。
黒川:
話しかけても答えてくれないんですよね。
今井:
はい、答えは返ってきません。家族の誰かがその状態になった場合、このまま延命治療を続けるかどうか残された家族で話し合いをしても、賛成する人と反対する人がでてくると思います。
黒川:
そうですね。
今井:
延命治療は、長ければ長いほどお金もかかってきます。
黒川:
お金ってどのくらいかかるんですか?
今井:
人工呼吸器をつけていると個室になります。さらに、人工呼吸器や薬代など治療にもどんどんお金がかかります。
黒川:
負担が大きいですね。
今井:
治療費を払うために残されたかたがたが全員で働かなければならないかもしれません。
黒川:
そう考えると… もし自分自身がその状態になったら延命治療をしないで欲しいと思うとおもいます。
今井:
そうですね。自分自身のことだったら、そうやって決められますよね?
黒川:
はい。
今井:
だけど、家族がそれを決めるのはすごく難しいですよね?
黒川:
難しいですね。
今井:
そのために、“自分がこういう状況になったらこうしてください” と残しておくのが『リビングウイル (Living Will)』です。“ウイル (Will)” が “意思” という意味の英語です。「自分が植物状態になり回復の見込みがないときは、家族に迷惑をかけるので延命処置は中止して下さい」とか、「臓器は移植に回して下さい」などと、本人が『リビングウイル』として残していると、家族は本人がそう言うんだったら… と決断できますよね。
黒川:
出来ると思います。
今井:
家族には決められないけれど、自分自身の意思を残しておくことは出来る。それが『リビングウイル』です。
黒川:
なるほど。『リビングウイル』の用紙って、病気になったときに配られるんですか?
今井:
配られません。それに、突然意識なくなった人には書くことができませんよね。ですから、自分が元気なうちに『リビングウイル』を書いて残しておくか、家族と自分がそういう状態になったときはどうするかを話し合っておくことが重要なんです。
黒川:
元気なうちに… ですね。
今井:
そうです。昨日は元気でも、突然倒れることだってありますよね。七海ちゃんも手術が成功したからいいけど、もしかしたら昌江さんのような状況になったかもしれないですよ。
黒川:
あっ、そうですね。
今井:
その時、七海ちゃんが『リビングウイル』を残していれば、愛子さんは延命処置を行うかどうか悩んだときに決断できる。
黒川:
七海の意思を尊重できますね。
今井:
そうです。残された家族には決めるのは難しいんです。ですから、『リビングウイル』に関しては非常にデリケートな問題なので描き方がとても難しかったのですが、考えに考えて問題提起の意味を込めて作りました。いろいろと批判があるかも知れませんが、今回は私も『リビングウイル』というテーマを扱ったことで本を読んだり、色々な人に伺ったりして、とても勉強になりました。
黒川:
私も『リビングウイル』という言葉を初めて知って、とても勉強になりました。医療ってまだまだ、私たちの知らないことだらけなんですね。
今井:
そうですね。医学というものは、まだまだ完全ではありません。人の死は100パーセント避けられないものです。私は救命救急をやっているのですが、目の前で亡くなっていく患者さんをみると辛くなります。ですから、皆さんには毎日を一生懸命に生きて、いざ自分が病気になったときに自分がどうしたいかを考えておいて頂きたいですね。全10話を通して重いテーマがいくつも取り上げられましたが、それぞれについて皆さんが考えるきっかけになればと思っています。
黒川:
私も今回『Tomorrow』に出演して、医療に関して学ぶことが多かったです。もっともっと勉強しなければと思いました。今井先生、ありがとうございました。