週刊Scoop[2月16日号]

古橋警部補の別れた奥さん、息子さん「離れていると話題がない」 警察官 とりわけ特殊部隊の家族のあり方

(写真) NPS交渉班・古橋誠二郎警部補はかつては結婚しており、現在小学生になるお子さんもいる。今は離婚して、奥さんと息子さんは奥さんの実家である山梨県で暮らしていて、ふだん会うことはないという。離婚にはさまざまな要因があるだろうが、警察官としての任務で家に帰れない日々からくるすれ違いが主な原因だろう。
奥さんの由紀子さんも、警察官と結婚した以上ある程度の覚悟はあったと思うが、ちょうど息子の史郎くんが生まれた頃に所轄から捜査一課に異動したという古橋警部補の捜査づけの日々は想像を絶するものだったろう。
警視庁捜査一課といえば、さまざまな凶悪犯罪、中でも殺人事件に対応するエリート集団である。休日に家族で約束をしていても、呼び出しがかかれば即出動、捜査が続けば家に帰ることもままならない。実家も離れており、頼るべくもない由紀子さんは初めての子育てを夫の協力も得られず、一人で不安と戦いながら孤軍奮闘していたのだろう。それでも何とか家族として続けていこうと努力していたとき、古橋警部補のネゴシエーター=「交渉人」としてのアメリカ研修が決まり、その距離は決定的なものとなってしまったようだ。

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話し合うことが出来れば、ケンカをしてもその溝を埋めることは出来たのだろう。しかし、話し合うことも出来ない距離、警察と言う守秘義務を課せられた仕事で話せることも少なかったのだろう。それでも息子にとってはたった一人の父親だ。数少ない思い出、だからこそそれは大切な大切なものだろう。語る言葉は少なくても、その思い出を大切に共有しあえれば糸口はある。由紀子さんは古橋警部補と憎みあって別れたのではないのだから、大切な一人息子の父親として接することが出来るはずだ。子どもの頃の思い出というのは、将来の人格形成にも結びつく。「国の幸せを守るより、家族の幸せを守りたい」、そう話す由紀子さんの思いは、家族としては当然のものだろう。大切な人が命がけで戦う、家で待つ身として耐えられなくなってしまっても誰が責められるだろう。人はそれぞれ幸せを追い求めていくが、夫婦の問題は夫婦にしかわからない。「交渉人」としての研修を積んでも、犯罪者に対する「テクニック」としての交渉ではなく、別れたとはいえ「家族・古橋誠二郎」個人として誠心誠意接し、今後の二人の幸せを願って欲しいものである。

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