週刊Scoop[1月26日号]

特殊部隊がマスコミの取材に対応!新設部隊NPSが本部も公開「あんな訓練は序の口」「知っていただくのも大切なことかと思いました」

(写真) 特殊部隊NPSがその訓練の様子をマスコミに披露した。これまで特殊部隊と言えば絶対的な守秘義務を課せられており、その存在すら表に出ることはほとんどなかった。
SATの存在が明らかにされたのは1996年のことだが、2002年サッカーワールドカップが日韓で開催される際の警備を機に、警察庁はSATの訓練映像を報道陣に公開している。このときの世間の驚きと言ったらかつてないほどのものだったが、今回の訓練の様子も尋常では考えられないほどの身体能力が散見され、見ているものに与えた衝撃も見当がつくだろう。
しかしその本部はいたって庶民的と言える。警察庁の地下の車両倉庫を改造したということだが、武器などは厳重に管理されているため、本部にはモニター、資料など警察として必要なもの以外は個人の私物のほうが目に付く。取材に応じた神御蔵巡査のデスクは、警察官のデスクというより、ただの「ポリスメンマニア」の席と言えよう。古橋警部補のデスクは筋トレグッズがあり、身体が資本のNPSとしては正しいような気もするが、だまされてはいけない。トレーニングルームは別途完備されており、これらは内勤中にボールペンを回すのと同じくらいの感覚で使われているのだ。梶尾巡査部長のデスクは、警備犬担当というよりもただの犬好きの愛らしい席となっている。さすがに速田警部、香椎隊長のデスクは整然としているが、愛煙家の肩身が狭くなっている昨今、タバコは控えたほうがいいのではないかと老婆心ながら気になってしまった。
速田警部にコーヒーをふるまっていただいたが、なんと速田警部の私物だそうだ。完全なるコーヒーセット、オフィスにいるときは最上級のコーヒーでくつろいでいるそうだが、決して隊員たちには振舞わないとのことで、今回は取材記者に特別に淹れてくれたとのことだった。

(写真)

しかし「特殊部隊」というのは、見えない犯罪者たちに対して立ち向かう部隊である。これまで厳守されてきた守秘義務は、本人はもちろんのこと、周囲の家族、知人にいたるまで危険にさらさないためには絶対に必要なものだった。それを顔、名前まで公表することによって、犯罪者たちはどういう反応を示すのだろうか。香椎隊長は取材対応には最後まで反対だったと聞くが、隊員たちの身近な人々に危険が及ばないよう、願うばかりである。

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