2018.9.30 OA
#51 加納容子
71歳 染織家

古い町並みを残す岡山県勝山で、町の暖簾を染めて22年。
家ごとに趣向を凝らした約100の暖簾が軒先で揺れている。

大好きなんです。
家にいることも、
勝山に住んでいることも。

モノ作りの町になるといいなと思っているんです。
一点物で、「私はこういうものが欲しいんですけど
作ってください」って言ったら
「分かりました」って言って作る
職人さんのような町になってほしいと思っているので。

私も出来うる限りこの町のための暖簾は
デザインを起こしていきたいと思っていますし、
「あれ良かったよ」とか言って
「私の希望も聞いてくれたのね」とか言ってくれるときが
あぁ良かったって思います。

自然っていうのは
こっちが思っていた色と違うとか
いうような話ではないので、
その土地に育って、その土地で、その年の
雨の加減、風の加減のすべてを受け取ったものが
ここに出てくるので。

大好きなんです。
家にいることも、勝山に住んでいることも。
もうとても愛しているんです。
だから本当はどこも行きたくないくらい。