被葬者の正体をめぐって議論がされていますが、豪華な副葬品から契丹皇族であることはわかっています。世界初公開となる副葬品の数々を展示します。
年代:10世紀前半 所蔵:内蒙古文物考古研究所
解説:木製の棺と棺台で、全面にわたって浮彫や箔押し、彩色による装飾を施してあります。棺は外棺と内棺(本展では不出品)の2層構造です。 外棺の屋根は正面と背面の板に大輪の牡丹を浮彫し、そこに7枚の側板をあわせてあります。この棺の特徴は屋根に高低差があることであり、古くは三燕や北魏時代のものなど、鮮卑貴族の棺にも例があります。
解説:白銅質の鏡と専用の容器。鏡背には大輪の花をくわえて旋回する2羽の鸚鵡(おうむ)、その側に2羽の蝶、周囲に遠山を配してあります。 このような図像は唐の頃に流行したもので、正倉院宝物などにも見出されます。表面に「李家供奉」の4字を鋳出してあります。
解説:2枚の鍍金銀板をあわせた装飾品。1枚の銀板には牡丹唐草を打ち出し、透彫や鋤彫によって外形を作り、細部を毛彫や蹴彫によって仕上げてあります。もう1枚は本品の枠となるもので、連珠文帯と雲気文を打ち出し、間地を魚々子で充填しています。この2枚の板の間には染織品をはさんでいます。